【今週の債券】長期金利0.7%前半で低下探る展開、欧米金融政策焦点

今週の債券市場で長期金利は9年 ぶり低水準の0.7%台前半で低下余地を探る展開が見込まれている。 今週の欧米中央銀行の金融政策決定会合が焦点で、追加緩和観測が強 まり海外金利が低下すれば、国内金利にも低下圧力が掛かりやすい。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は全体で0.70-0.80%となった。予想レンジの下限0.70%は2003年 6月27日以来の低水準となる。前週末終値は0.745%。

前週の長期金利は23日に9年ぶり低水準となる0.72%まで低下 した。その後は同水準を下限に0.7%台前半の推移が続いて、週末の 27日には約1週間ぶり高水準の0.745%に上昇した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は26日の講演で「ユーロを 守るためにあらゆる手段を取る用意がある」と発言した。このため、 2日のECB理事会では、欧州債務問題解決に向けた対応策が打ち出 されるとの見方が出ている。JPモルガン・アセット・マネジメント の塚谷厳治債券運用部長は「追加緩和は間違いなくやる方向とみられ、 国債購入プログラム(SMP)にも期待感が高まっている」と話した。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日、8月1日に 米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場では、量的金融緩和 の第3弾(QE3)やゼロ金利政策を長期化する「時間軸」の延長な ど追加金融緩和が議論されるとの見方が出ている。DIAMアセット マネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャーは「時間 軸延長などが決まる可能性があり、この場合には米金利安定のほか、 円高圧力がかかる」と分析。日本も8月会合での追加緩和期待がくす ぶるともいう。

10年入札、利率低下に警戒も

2日に10年利付国債(8月債)の入札が実施される。前週末の入 札前取引では0.745%程度で推移した。このため、表面利率(クーポ ン)は前回債より0.1%ポイント低い0.70%か、横ばいの0.8%とな る見込み。0.7%となれば03年6月以来の低水準となる。発行予定額 は前回債と同額の2兆3000億円程度。

SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジストは、今回 の同入札について、「さすがに0.7%クーポンには抵抗がある。ただ、 金利低下が進むか否かは、海外動向次第の面もあり、消去法的な買い は引き続き継続されそうだ」とみている。

31日には2年利付国債(8月発行)の入札が実施される。クーポ ンは8回連続で0.1%となる見込み。発行額は前回債と同額の2兆 7000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。 先物は9月物、10年国債利回りは新発の324回債。

◎パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長

先物9月物143円85銭-144円75銭

10年国債利回り=0.70%-0.80%

「FOMCで緩和期待が高まれば、長期金利は0.70%を目指すだ ろう。緩和見送りムードなら、10年債入札に向けた調整で0.80%に近 づく方向だ。利率0.8%のリオープン(追加発行)となれば買い手は 減る。ECBの追加緩和がコンセンサスになりつつあるが、それでリ スク資産が上昇すると債券には重し。需給は悪くないが銀行勢は売り 買い両方の姿勢で、押し目待ちの投資家も多い」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人氏

先物9月物144円00銭-144円80銭

10年国債利回り=0.70%-0.77%

「長期金利は低位安定が継続か。これまで投資家は慎重姿勢を維 持しており、金利低下が進んでも市場に過熱感はない。世界的な景気 減速懸念もあって、夏休み前に残高積み増しの意向が強まるとみてい る。ECB理事会では国債購入など何らかの対応策が打ち出され、欧 州の株安やユーロ下落に一定の抑止力があるとみるが、欧州債務問題 の根本解決でなく時間稼ぎに過ぎないとみる」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物9月物144円00銭-144円80銭

10年国債利回り=0.70%-0.77%

「金利が上昇しにくい展開。米FOMCは微妙だが、米国株がし っかりしており、今回は様子見姿勢で何もしないのではないか。仮に 超過準備の付利引き下げを行えば、市場への影響が大きく、日本にも 波及する。2年債入札については、日銀オペでも購入するのが大変な 人気なので問題ない。10年債入札では0.7%台前半の投資家需要を判 断。買えていない投資家が多く、相場が崩れる展開にはなりにくい」

--取材協力:池田祐美、赤間信行、 船曳三郎 Editors:山中英典、 青木勝

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