米国債:3日続落、欧州の危機対策観測で逃避需要が減退

米国債相場は3日続落。10年債利回 りは過去4カ月で最大の上昇となった。欧州の政府や中央銀行が域内の 債務危機収束へ向けた措置を講じるとの観測が広がり、安全資産とされ る米国債の需要が減退した。

10年債利回りは3週間ぶりの高水準に上げた。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁が新たな救済措置導入へ向けドイツ連銀のバイ トマン総裁と協議するとの報道が手掛かり。独仏首脳がユーロを守るた めに必要な「あらゆる措置」を取ると表明したことも米国債の売りにつ ながった。米商務省が27日発表した第2四半期の実質国内総生産 (GDP)速報値は市場予想を上回った。連邦公開市場委員会( FOMC)は来週31日から2日間にわたり会合を開く。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米金利戦略責任者、マイケル・ クロハティ氏(ニューヨーク在勤)は「欧州の政策当局が対策をまとめ るとの楽観的な見方がやや強まり、リスク回避の買いに一服感が出てい る」と指摘。「経済統計も多くが恐れていたほど弱くはなかった」と付 け加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時18分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.55%。一時は前日比15bp上げ、3月14日以 来の大幅上昇となった。同年債(表面利率1.75%、2022年5月償還)価 格は1 2/32下落して101 25/32となっている。利回りは25日に1.379%と 過去最低を記録していた。

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、午後2 時1分現在で米国債の売買高は2677億ドルに達し、6月29日以来の大商 いとなった。年初来の平均は2401億ドル。

「不安を募らせる」

ECBのドラギ総裁は、債券購入を含む新たな一連の措置を導入す るため、バイトマン独連銀総裁と近く協議する。ECB当局者2人が明 らかにした。

BNPパリバの金利ストラテジスト、サブラト・プラカシュ氏(ニ ューヨーク在勤)は中銀当局者が協議することに対し、中長期債を保有 する投資家は「当然不安を募らせる」ものだと指摘した。

この日発表された第2四半期の米GDP(季節調整済み、年率)速 報値は前期比1.5%増だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミストの予想中央値は1.4%増。第1四半期は年次改定により前回 発表の1.9%増から2%増に上方修正された。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「市場はアルマゲドン(壊滅的事態)に突入しようとしてい た」と述べた。

世界の中銀

この日は朝方から売りが先行した。主要国の中央銀行がそれぞれ会 合を控えており、世界的に景気底上げを図る措置が強化されるとの観測 が広がった。ECBの政策委員会とイングランド銀行(英中央銀行)の 金融政策委員会(MPC)が来週開催されるほか、日銀も8月9日に会 合を開く。

2年債は週間ベースで6月以来で初めての下落。ドイツのメルケル 首相とフランスのオランド大統領は27日、両国はユーロ圏を維持すると いう強い義務を共有しているとの認識を示し、安全資産を求める動きが 弱まった。

さらに両国は、6月28、29両日の欧州連合(EU)首脳会議での決 定を「迅速に」実行に移すことを目指すと表明した。

RBCのクロハティ氏は、「依然として欧州をめぐる大きな懸念が 残されており、利回りはさほど高水準に上昇することはないだろう。国 内でもまだ景気減速が顕著だ」と指摘。そのうえで、9月のFOMCで 新たな資産購入計画が発表されるとの予想を示した。

原題:Treasuries Fall as Speculation Europe to Act Crimps Haven Demand(抜粋)

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