トウモロコシ輸入、25年ぶり低水準にとどまる可能性-価格高騰で

飼料を取り扱う業界団体は、家畜の 餌の主原料であるトウモロコシの日本の輸入量が昨年に引き続き25年ぶ りの低水準にとどまる可能性があるとみている。シカゴ国際相場が歴史 的高値圏で推移していることを背景に、配合飼料会社がトウモロコシの 使用量を抑え、より安い原料に切り替えると予想しているためだ。

飼料輸出入協議会の晴野三義専務理事は、今年のトウモロコシ輸入 量が昨年の水準から増える可能性は小さいとの見方をしている。6月中 旬以降のシカゴ相場の高騰を受け、飼料メーカーが「トウモロコシを多 く使うことを避け、飼料用小麦やDDGS、ふすまなどのより安い原料 で代替していく」とみているためだ。

財務省貿易統計によると昨年のトウモロコシ輸入量は1528万トン。 東日本大震災で東北地方などの飼料メーカーや畜産農家が被災したこと などが影響し、1986年以来の低水準に落ち込んだ。今年は、被災の影響 がなくなりつつあるものの、相場の高騰を背景に1-5月の累計は631 万トンと昨年同期の646万トンを下回っている。

日本は世界最大のトウモロコシ輸入国で、世界の総輸入量の約2割 を占める。2011年の輸入トウモロコシの90%は米国産だった。今年は1 -5月の累計で85%。米国は世界最大のトウモロコシ輸出国。

国際指標となるシカゴ商品取引所(CBOT)のトウモロコシ先物 の中心限月は6月15日以降に5割以上上昇し、7月23日には1ブッシェ ル当たり8ドルと過去最高値に達した。米国が1950年代以降で最悪の干 ばつに見舞われ、主産地の中西部で作況が悪化したことが影響した。米 農務省(USDA)は25日、トウモロコシの供給ひっ迫で食料価格が上 昇する可能性があると発表した。27日現在は7ドル台後半で推移してい る。

一方で、小麦も米国やロシアの干ばつが懸念され、CBOTの先物 相場が23日に1ブッシェル当たり9.4725ドルと08年8月以来の高値を付 けた。27日現在は8ドル台後半とトウモロコシ相場よりも高値で推移し ているが、飼料輸出入協議会の平野一雄総務・業務部長によると、 CBOTで取引される製粉用に適した小麦よりも品質の劣る飼料用小麦 は値が安い。

農林水産省は3月に発表した「飼料需給計画」で、今年度の飼料用 小麦の買い入れ数量を昨年度の42万トンから76万4000トンに引き上げた が、晴野氏はこの計画目標を上回る可能性があるとみている。同氏によ ると、国内の配合飼料に占めるトウモロコシの配合率は前年度の45%か ら今年度は43%程度に減少している。財務省貿易統計によれば、日本の 今年1-5月の飼料用小麦輸入量は前年同期の5.3倍の33万4349トンに 増加しており、そのうち米国産が約6割、豪州産は約4割を占める。

米小麦連合会の宇都宮渡・駐日代表によると、米国産白小麦は十分 な在庫があり、日本の飼料メーカーに対してシカゴ相場からの割引価格 で供給されている。太平洋岸から海上運搬されるため、メキシコ湾(ガ ルフ)積みのトウモロコシよりも運賃が安上がりだという。同氏は、豪 州もアジアのトウモロコシ取引業者に対して競合する価格で小麦の輸出 を申し出ているという。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE