日本株は1カ月ぶり上昇率、ECBや中国政策期待-輸出、素材買い

東京株式相場は続伸し、TOPI X、日経平均株価がともに約1カ月ぶりの上昇率を記録した。欧州中 央銀行(ECB)のドラギ総裁の積極的な政策対応を示唆する発言を 受け欧州債務不安が後退し、自動車など輸出関連、銀行など金融株が 上昇。中国政府の景気刺激策への期待も広がり、鉄鋼や海運、建設機 械といった中国関連業種も買われた。

TOPIXの終値は前日比11.53ポイント(1.6%)高の726.44 と きょうの高値引けで、6月28日以来の上昇率。日経平均株価は同123 円54銭(1.5%)高の8566円64銭と、同29日以来の上昇率だった。

しんきんアセットマネジメントの山下智巳主任ファンドマネジャ ーは、景気減速への懸念と政策対応への期待が綱引きする中、「ドラギ 総裁の発言などで期待感が高まり、買い優勢となった」と指摘。相場 は、これ以上下がらない水準まで来ており、「ポジティブなニュースに 好反応しやすい」と話していた。

ECBのドラギ総裁は26日、域内ソブリン債の高利回り問題はE CBの責務の範囲内にあるとの見方を示し、「ユーロ存続のために、必 要ないかなる措置も取る用意がある」と表明。スペインとイタリアの 国債利回り上昇がユーロの存続を脅かす中、債券市場への介入も辞さ ない姿勢を示した。

スペイン債利回り低下、ユーロ高に

同総裁の発言を受け、スペインの10年国債利回りは前日、危険水 域の7%を5日ぶりに下回った。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ ストラテジストは、ECBの国債購入再開期待が高まり、「目先の懸念 となっていた重債務国の国債利回り上昇懸念は和らいだ」と言う。

為替市場では円売り・ユーロ買いが進み、日本時間27日のユー ロ・円相場は1ユーロ=96円台前半と、前日の東京株式市場終了時の 95円付近から円安・ユーロ高水準で推移。きょうの日本株市場は、E CBの政策対応期待、円安・ユーロ高を受けた企業収益の下振れ懸念 の後退で、自動車など輸出関連や銀行などの金融株を中心に景気敏感 業種が総じて高かった。

JFEホールディングスなど鉄鋼、コマツなど建機といった中国 関連株の上げも目立った。国営の中国新聞社が26日に報じたところ、 湖南省の省都である長沙は、空港や地下鉄の整備も含む8292億元(約 10兆1600億円)相当の投資計画を打ち出した。同国経済活性化の可 能性を見込む買いが先行。JFEHDには、前日午後発表の第1四半 期決算を受け、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、クレディ・ス イス証券などが強気の投資判断を継続する材料もあった。

東芝も高い。火力発電向け設備が好調で、4-6月期営業利益は 前年同期比2倍以上なったもよう、と27日付の日本経済新聞朝刊が報 じた。減価償却方法の変更や福島第1原子力発電所事故での東京電力 からの補償金計上を理由に、2013年3月期の連結純利益予想を増額し た日立化成工業も急伸。

サイバーAショック

一方、グリーやディー・エヌ・エーなどソーシャルゲーム関連株 が急落。ゴールドマン・サックス証券では、サイバーエージェントの 4-6月期(第3四半期)の市場予想を下回る決算を受け、ソーシャ ルゲーム関連の収益環境が想定以上に悪化していると指摘しており、 連想売りが広がった。サイバーAはストップ安。

東証1部33業種は鉄鋼、証券・商品先物取引、非鉄金属、海運、 ガラス・土石製品、石油・石炭製品、保険、輸送用機器、ゴム製品、 不動産、機械、銀行、電機、精密機器など29業種が上昇。医薬品、電 気・ガスなど4業種は安い。

東証1部の売買高は概算で16億6506万株、売買代金は9638億円 と、3日ぶりに1兆円割れ。値上がり銘柄数は1136、値下がり432。 国内新興市場では、ジャスダック指数が1.6%高の50.85と6日ぶり に反発、東証マザーズ指数は4.6%安の326.62と反落した。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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