債券は続落、内外株高や米債安-投資家の買いで一時下げ幅縮小も

債券相場は続落。欧州中央銀行(E CB)のドラギ総裁の発言を受けて株高・債券安となった米国市場の 流れを引き継いだ。半面、消費者物価の予想比下振れなどもあり、日 中は投資家から買いが入って下げ幅を縮める場面もあった。

東京先物市場で中心限月9月物は前日比15銭安の144円31銭で 始まり、直後に144円30銭まで下落。日中で18日以来の安値を付け た。その後は徐々に下げ幅を縮め、午後2時前には横ばいの144円46 銭まで戻す場面があった。引けにかけてはじり安となり、結局は11 銭安の144円35銭で取引を終えた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は「ドラギECB総裁発言が効いて、円債市場は朝方に売られた。そ の後は相場が下がると買い戻しが入り、下げ渋る展開。これまで債券 を買えていない都銀勢などの需要ではないか」と説明。8月2日のE CB理事会では「追加緩和は間違いなくやる方向とみられ、国債購入 プログラム(SMP)にも期待が高まっている」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は前日比1.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.745%と、20日以来の高 水準で開始。その後は0.74%で推移し、午後には一時0.5bp高の

0.735%まで上げ幅を縮めた。しかし、2時半ごろに0.74%、3時ご ろには0.745%に上昇した。長期金利は23日に0.72%まで下げ、2003 年6月以来の低水準を付けたが、その後は同水準を下限に0.7%台前 半で推移している。

5年物の105回債利回りは0.5bp高い0.18%。前日入札があった 20年物の138回債利回りは1bp高い1.565%で始まり、1.56%との間 で一進一退となったが、3時半過ぎに1.57%を付けた。30年物の36 回債利回りは横ばいの1.765%で開始したが、午後3時前に0.5bp高 の1.77%を付けた。

消費者物価は下振れ

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、ドラギ 総裁の力の入った発言を受け、来週の理事会でスペインやイタリアな どの国債買い入れに乗り出すとの見方が強まり、リスク回避の動きが 薄れたと説明。ただ、欧州の流儀は変わらないので、抜本解決には至 らないと予想した。

朝方発表された6月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除いた コアCPI)は、前年同月比0.2%低下した。7月の東京都区部は0.6% 低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が同横 ばい、東京は同0.6%低下だった。三菱UFJモルガン・スタンレー 証の六車治美シニア債券ストラテジストは「CPIが予想よりも下振 れたことは、債券相場の下支え要因になると思う」とみていた。

ブルームバーグの調査によると、市場関係者はきょう発表される 米国の4-6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率1.4%と 1年ぶりの低成長にとどまる見通しだ。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部 長は米実質成長率が1%を割り込めば、連邦準備制度理事会(FRB) が追加緩和に動くと予想。米国は大統領選を控え、9月より8月のほ うが緩和の可能性が高いとみている。

26日の米国債相場は続落。米10年債利回りは前日比4bp上昇の

1.44%程度。欧州単一通貨ユーロの存続のためにはいかなる措置も辞 さないと表明したドラギECB総裁の発言が影響した。米株相場は上 昇。ダウ工業株30種平均は約1カ月ぶりの大幅高となった。

きょうの円相場は一時、1ドル=78円38銭に下落。対ユーロで は前日の94円台から96円半ばまで下げる場面があった。日経平均株 価の終値は前日比123円54銭(1.5%)高の8566円64銭。上昇率は 約1カ月ぶりの大きさだった。

--取材協力 池田祐美、船曳三郎 Editors:山中英典、持田譲二

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