NY外為:ユーロが対ドルで約1カ月ぶり大幅高

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対しほぼ1カ月で最大の上げとなった。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁が、ユーロを守るために必要なあらゆる措置を 取ると表明したことを受けた。

ドルは主要通貨の大半に対して軟調な展開が続いた。米新規失業保 険申請件数が予想以上に減少し、製造業耐久財受注額が増加したこと で、逃避需要が後退した。ドルは対円では上げ下げを繰り返す方向感に 欠ける展開。また高リスク資産が上昇する中で、南アフリカ・ランドと ニュージーランド(NZ)ドルは買い進まれた。

バンク・オブ・モントリオールのグローバル通貨ストラテジスト、 アンドルー・ブッシュ氏(シカゴ在勤)は「ドラギ総裁の発言、そして その語調の強さはサプライズだった」とし、「ECBはユーロ圏諸国の 資金調達問題を緩和させるため、追加措置を講じることに前向きなよう だ。これで向こう3-4日間はユーロが安定するかもしれない」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時37分現在、ユーロは対ドルで前日比1% 高の1ユーロ=1.2284ドル。一時1.4%高と、6月29日以来の大幅高と なった。対円では1.1%上昇し1ユーロ=96円06銭。ドルの対円相場は ほぼ変わらずの1ドル=78円21銭。

ユーロは月初以降では対ドルで3%下落。対円では4.9%値下がり している。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去3カ月で4.6%下落と、10通貨中で最悪のパフォ ーマンスとなっている。一方で円は7.5%高、ドルは3.5%上昇してい る。

リスクラリー

カナダ・ドルは対米ドルで2カ月ぶり高値。リスク選好の高まりで 買い進まれ、0.5%高の1米ドル=1.0101カナダ・ドル。一時1.0063カ ナダ・ドルと、5月16日以来の高値を付けた。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「カナダ・ドルはドラギ総裁の非常に力強い発言 に反応している」と分析。「大規模なユーロのショートカバー(買い戻 し)が入っている。リスク回避の後退で、他の市場も同様の動きとなっ ている」と続けた。

南アフリカ・ランドは主要通貨の中では最大の上げ。対ドルでは 2%高の1ドル=8.2351ランド。

NZドルは1.6%高の1NZドル=0.8018米ドル。一時0.8030ドル と、ほぼ1週間ぶりの高値を付けた。

オーストラリア・ドルは続伸し、0.9%高の1豪ドル=1.0397米ド ル。

ボラティリティが低下

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は2日連続で低下し、9.34%を付けた。24日には月初来の最高とな る9.83%を付けていた。過去5年間の平均は12.4%。

この日はドラギ総裁の発言を受け、ECBが債務危機封じ込めに向 けた新たな措置を発表する準備を整えつつあるとの観測が高まった。 ECBの政策委員会メンバー、オーストリア中央銀行のノボトニー総裁 は今週、ユーロ圏の恒久的救済基金である欧州安定化メカニズム (ESM)に銀行免許を与えることに賛成する意見もあると述べた。

原題:Euro Strengthens as Draghi Promises to Preserve It; Rand Climbs(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda、Chris Fournier.