野村HD:4-6月連結純利益89%減の19億円-欧州危機で低迷

国内証券最大手の野村ホールディン グスの4-6月(第1四半期)連結決算(米会計基準)は、純利益が前 年同期比89%減の19億円となった。欧州債務危機に伴う市場低迷で株式 委託や投資信託関連手数料などが伸び悩んだ。

純利益はブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト9人の予 想中央値16億円を上回った。昨年から進めている年間12億ドルのリスト ラ効果もあり、最終損益は黒字を確保したが、利益水準はこの3四半期 で最低となった。

野村が26日開示した資料によると、4-6月の収益合計は同3%増 の4396億円。委託・投信募集手数料は同20%減の774億円、投資銀行業 務手数は同25%減の104億円、アセットマネジメント業務手数料は 同13%減の338億円、トレーディング損益は同25%増の844億円などとな っている。

海外拠点の税引き前損益は、米州が63億円の黒字(前年同期は5億 円の黒字)、欧州が164億円の赤字(同317億円の赤字)、アジア・オセ アニアが19億円の赤字(同15億円の赤字)で合計では121億円(同328億 円の赤字)の赤字だった。海外拠点全体での赤字は10年4-6月期以 降、9四半期連続となった。

インサイダー関与の影響

野村は、3月以降に証券取引等監視委員会が摘発した公募増資イン サイダー取引5事案のうち3件に関与したことが判明し、経営幹部の減 給など社内処分を発表した。これを受けて、野村は日本航空の新規株式 公開(IPO)でグローバルコーディネーターから除外されるなど今後 の業績への影響が懸念されている。

野村の中川順子執行役兼財務統括責任者(CFO)は同日の決算会 見で、インサイダー問題が与える収益面への影響について「ないとは言 えないが、計測は難しい。今は信頼回復に努める」と強調した。経費削 減の追加策については「昨年からのコスト削減の成果やマーケット動向 を勘案して検討したいが、具体的なものはない」と述べた。

ドイツ証券の村木正雄アナリストは、「欧州中心に市場低迷は続い ており、第2四半期も期待できない」と指摘。野村については「収益環 境が良くない中ではコスト管理しかなく、昨年のリストラに続く追加策 のタイミングが焦点になる」とみている。インサイダー問題では「直接 影響を与えるビジネスの売り上げ構成比は限定的」と述べた。

ブルームバーグ・データによると、野村HDは4-6月の引き受け ランキングで、グローバルベースでは株式関連が6件・10億5200万ドル で18位、債券関連で18位、M&Aでは12位だった。国内では株式関連が 2件・317億円で1位、債券関連で72件・5553億円で3位、M&Aで は30件・1兆8965億円を獲得して1位だった。

東京証券取引所の資料によると4-6月の1日当たりの株式売買代 金(第1部、2部、マザーズ合計)は約1兆2194億円で、前年同期に比 べると12%減少した。同期間の日経平均株価は11%下落した。

--取材協力:谷口崇子 Editors: 平野和, 淡路毅

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