資生堂社長:構造改革で国内の利益率向上へ-低落傾向を立て直し

国内化粧品最大手の資生堂は、構造 改革を実施し利益率の向上を図る考えだ。改革案を上期(4-9月期) 終了後にも発表する。対象は、苦戦が続く国内事業が中心となる見込み で、利益体質の改善を目指す。

末川久幸社長が25日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で明らかにした。同社長は事業改革の「大きなところは日本になる」と 語った。基本的な枠組みについては「上期が終了したタイミングで全体 を案内できる」と述べ、今月末には方向性など概略を示す考えだ。

資生堂は、「グローバルプレーヤー」になることを目指し、2018年 3月期までに売上高1兆円超、海外売上高比率5割超、営業利益率 で12%以上の達成を目標に掲げている。

ただ、国内外の全体の営業利益率では、12年3月期で5.7%と直近 のピークである08年3月期の8.8%から低下傾向にある。順調に伸びて いる海外化粧品事業と比べ、同社の主力である2000-5000円の中価格帯 製品の低迷などから国内化粧品事業は減収が続いており、立て直しが課 題となっている。

ブルームバーグ・データによると、12年3月期の海外化粧品事業の 売上高は中国での好調などから3197億円と、07年3月期の2243億円と比 べて40%以上成長したのに対し、国内化粧品事業は12年3月期で3538億 円と、同期間で20%以上落ち込んだ。

末川社長は、売上高の変動を吸収できるように「事業構造そのもの を筋肉質なものに変えていく必要がある」と語った。コスト削減につい ては、原価、マーケティングコスト、人件費なども含めてコスト構造の 改善を検討しているという。

好感される可能性

同社が6月に発表した米国事業の再編はこういったコスト構造改革 の一環。米国子会社と買収した米ベアエッセンシャルのバックオフィス の機能統合や、物流インフラの再編などでコスト競争力を強化する。

ドイツ証券の森将司アナリストは、改革について「ポジティブだと 思う。イメージとしては決して小さくはない」と話した上で、「社風を 考慮すると難しいと思うが、余剰感のある美容部員の削減などを行うの であれば、市場では非常に好感される可能性が高い」と述べた。

ウェブマーケティング

また、ウェブマーケティングについて末川社長は、「ある程度投資 が必要」と述べた。今期の国内マーケティング投資は前期比で最大30億 円増を見込み、ウェブに投じる予定で、18年3月期まで今期と同程度の 投資水準を維持していく考えを示した。

海外マーケティング投資は今期、前期より最大90億円増の予定。末 川社長は、90億円の大半は中国への投資と説明した。岡澤雄常務は19日 のインタビューで、中国市場で「びっくりするほど欧米企業がメディア 投資をしている」と述べ、「もっともっとお客さんとの接点を増やし認 知度を高めていく」と、さらなるメディア投資の必要性を強調した。