住商:世界アルミ供給過剰が大幅縮小、減産加速と中国輸入増で

住友商事は、2007年以降続いていた 世界アルミニウム地金の供給過剰が大幅に縮小し、需給均衡に向かうと みている。欧米や豪州などの製錬所が市況下落による採算割れ対策とし て減産を一段と進めている半面、中国が輸入量を増やしていることが主 な要因。

軽金属事業部の山際真義・地金チームリーダーがブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで述べた。住商は今年の世界アルミ供給過剰 幅の予測を5万4000トンと、1月に示した94万1000トンから94%下方修 正した。豪州で通貨高や人件費高騰、炭素税導入の影響により減産の動 きが加速、生産コストの高い製錬所が多く集まる欧州や集中豪雨のあっ たアルゼンチンなどでも生産量が減っているためだ。中国は今年以降、 純輸入国へと転じるとみている。

世界のアルミ需要は前年比6.1%増の4598万7000トンと予測。一方 生産量は同2.5%増の4604万2000トンとなる見込みだが、年初予想に比 べると58万トンの下方修正となる。山際氏は「需給は完全にバランスさ れた状態」と指摘した。住商によると、11年の需給バランスは155 万6000トンの供給過剰だった。

供給過剰幅の大幅な縮小を受けて、日本の圧延メーカーなどがアル ミ地金をスポット取引で輸入する際に支払う割増金(プレミアム)は急 騰している。住商によれば、ロンドン金属取引所(LME)の先物価格 に上乗せするプレミアムは1トン当たり230-250ドルと過去最高の水 準。3月と比べて2倍弱の上昇だ。長期契約に基づくプレミアムは7- 9月期に200-210ドルで決着したが、足元のスポット価格から10-12月 期はさらに上がる可能性があるとみている。

一方でLMEのアルミ地金の先物価格は1トン当たり1870ドルと3 月2日に付けた高値2361ドルから約2割落ち込んだ水準。山際氏は「ア ルミ独自の材料は非常に強いが、コモディティからファンドや投機資金 が引き揚げられる波にアルミも飲み込まれた」として、金融市場の資金 の流れがアルミ価格を抑えていると指摘した。

住商では中国を含めた世界のアルミ製錬メーカーの平均生産コスト は1トン当たり2103ドルとみている。現状の市況では「世界のアルミ生 産者の40-50%は赤字とみられる」と言う。年末のLMEのアルミ価格 は2200-2300ドルを目指す展開と予想。ただ、欧州債務危機が悪化した 場合には1500ドルまで下落する可能性もあるとした。

世界最大のアルミ生産・消費国である中国の動向については、需要 が前年比11%増の2044万7000トン、供給量は同7.6%増の1991万トンと 予測。ただ、今年の輸入超過幅は53万7000トンと規模が小さく世界需給 に与える影響は限定的という。

日本の需要については同2.5%増の204万2000トンと予測。上期に好 調だったエコカー補助金制度による自動車向け需要の反動が見込まれる ことなどからも「下期に需要が良いとみるのは難しい」と述べた。

住商は豪州やマレーシアなどでアルミ製錬権益を保有し、日本やア ジア地域でアルミ地金取引を展開している。

【住友商事によるアルミの世界需給予測】
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           需要     供給       バランス
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今回予測 2012年    45987(6.1)    46042(2.5)        +54
前回予測 2012年  45681(5.5)  46622(3.8)    +941
     2011年  43353(6.8)    44910(7.3)     +1556
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(注:単位:千トン、カッコ内は前年比%)
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