7月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドルで1カ月ぶり大幅高-ECB総裁発言で

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対しほぼ1カ月で 最大の上げとなった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ユーロ を守るために必要なあらゆる措置を取ると表明したことを受けた。

ドルは主要通貨の大半に対して軟調な展開が続いた。米新規失業保 険申請件数が予想以上に減少し、製造業耐久財受注額が増加したこと で、逃避需要が後退した。ドルは対円では上げ下げを繰り返す方向感に 欠ける展開。また高リスク資産が上昇する中で、南アフリカ・ランドと ニュージーランド(NZ)ドルは買い進まれた。

バンク・オブ・モントリオールのグローバル通貨ストラテジスト、 アンドルー・ブッシュ氏(シカゴ在勤)は「ドラギ総裁の発言、そして その語調の強さはサプライズだった」とし、「ECBはユーロ圏諸国の 資金調達問題を緩和させるため、追加措置を講じることに前向きなよう だ。これで向こう3-4日間はユーロが安定するかもしれない」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時37分現在、ユーロは対ドルで前日比1% 高の1ユーロ=1.2284ドル。一時1.4%高と、6月29日以来の大幅高と なった。対円では1.1%上昇し1ユーロ=96円06銭。ドルの対円相場は ほぼ変わらずの1ドル=78円21銭。

ユーロは月初以降では対ドルで3%下落。対円では4.9%値下がり している。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去3カ月で4.6%下落と、10通貨中で最悪のパフォ ーマンスとなっている。一方で円は7.5%高、ドルは3.5%上昇してい る。

リスクラリー

カナダ・ドルは対米ドルで2カ月ぶり高値。リスク選好の高まりで 買い進まれ、0.5%高の1米ドル=1.0101カナダ・ドル。一時1.0063カ ナダ・ドルと、5月16日以来の高値を付けた。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「カナダ・ドルはドラギ総裁の非常に力強い発言 に反応している」と分析。「大規模なユーロのショートカバー(買い戻 し)が入っている。リスク回避の後退で、他の市場も同様の動きとなっ ている」と続けた。

南アフリカ・ランドは主要通貨の中では最大の上げ。対ドルでは 2%高の1ドル=8.2351ランド。

NZドルは1.6%高の1NZドル=0.8018米ドル。一時0.8030ドル と、ほぼ1週間ぶりの高値を付けた。

オーストラリア・ドルは続伸し、0.9%高の1豪ドル=1.0397米ド ル。

ボラティリティが低下

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は2日連続で低下し、9.34%を付けた。24日には月初来の最高とな る9.83%を付けていた。過去5年間の平均は12.4%。

この日はドラギ総裁の発言を受け、ECBが債務危機封じ込めに向 けた新たな措置を発表する準備を整えつつあるとの観測が高まった。 ECBの政策委員会メンバー、オーストリア中央銀行のノボトニー総裁 は今週、ユーロ圏の恒久的救済基金である欧州安定化メカニズム (ESM)に銀行免許を与えることに賛成する意見もあると述べた。

原題:Euro Strengthens as Draghi Promises to Preserve It; Rand Climbs(抜粋)

◎米国株:ダウ平均は1カ月ぶり大幅高、ECB総裁の発言を好感

26日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均がほぼ1カ月ぶりの 大幅高。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州単一通貨ユーロの存 続のためにはいかなる措置も辞さないと表明したことが影響した。

日用品・工業品メーカーの3Mと電子決済ネットワークのビザはい ずれも、決算内容が好感されて上昇。住宅建設のパルトグループは大幅 高。受注増が買い手掛かりとなった。携帯電話事業者のスプリント・ネ クステルとメトロPCSコミュニケーションズも高い。

米証券取引所全体の騰落比率は約7対3。S&P500種株価指数 は1.7%上昇の1360.02。ダウ平均は211.88ドル(1.7%)高の12887.93 ドルだった。

チャールズ・シュワブのチーフ投資ストラテジスト、リズ・アン・ ソンダース氏は、「ドラギ総裁のようなキーパーソンから必要な行動を 積極的に取るという姿勢がより明確に示されることを市場関係者は待っ ていた。欧州がユーロを救いたいのであれば、本物の量的緩和を伴うは ずだとの感触を得ている」と述べた。

S&P500種業種別10指数はいずれも上昇。ブルームバーグがまと めたデータによると、これまでに第2四半期決算を発表したS&P500 種企業271社のうち、利益が予想を上回ったのは約72%だった。

ビリニー氏の見解

株式市場調査・資産運用会社の米ビリニー・アソシエーツの社長で あるラズロー・ビリニー氏によると、米国株の強気相場に変化はなく、 S&P500種株価指数は数カ月以内に1380に達し、そこからさらに上昇 する。

ビリニー氏は、4-6月決算をめぐる懸念は行き過ぎだとし、株式 の先行きについて「最悪のケース」を想定する投資家があまりにも多い と指摘した。

ビリニー氏は顧客向けリポートで、「これまでのように三歩進んで 二歩後退する状況になるだろう」と予想。「夏の間には1380に達し、そ の後も上昇するだろう。7月はボラティリティや不可解な株価の動きで 落胆したが、われわれはなお楽観的だ」と記した。

3M、ビザが高い

3Mは2.1%上昇。3Mの4-6月(第2四半期)決算は利益がア ナリスト予想を上回った。効率性の向上が為替変動の影響を抑えた。

ビザは3.7%高。消費者が支払い方法を現金から電子決済に移行す る流れが同社にとって追い風となっている。

S&P住宅建設株価指数は6.4%上昇。パルトグループは18%高。 同社の第2四半期決算で利益がアナリスト予想を上回ったほか、受注 が32%と大幅に増加したことも好感された。

スプリント・ネクステルは20%上昇。加入者によるデータプランの 利用増が売り上げを押し上げた。メトロPCSは37%の急伸。同社の四 半期利益はアナリスト予想を上回った。販促費の削減が寄与した。

自然食品小売りで最大手のホール・フーズ・マーケットも高い。同 社の4-6月(第3四半期)決算は利益がアナリスト予想を上回った。 同社は通期利益予想を引き上げた。

原題:Dow Caps Biggest Rally in One Month Amid Draghi’s Euro Pledge(抜粋)

◎米国債:続落、ECB総裁のユーロ防衛発言で安全資産買い後退

米国債相場は続落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ を守るためにあらゆる措置を取ると発言したことを受け、米国債への逃 避買いが後退した。

26日の米国債は中長期債を中心に売られた。米財務省がこの日実施 した7年債入札は最高落札利回りが過去最低となったものの、入札直前 の市場予想を上回った。今週3回の入札で発行額は合計990億ドルに達 した。スペイン国債の利回りは低下。スペインは国内銀行や地方政府の 債務問題から救済要請を余儀なくされるとの懸念を背景に、今週に入り 国債利回りがユーロ導入以来の最高水準に上げていた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「前向きな措置が取られつつあるとの期待が生じてい る」としたものの、「米国債の上昇基調に変わりはない。売り込まれて も素早く買い戻される」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時53分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.43%。既発7年債利回りは4bp上昇し て0.93%となっている。

米財務省が26日実施した7年債入札(発行額290億ドル)の結果に よると、最高落札利回りは0.954%と過去最低。入札直前の市場予想 は0.948%だった。これまでの最低は6月に付けた1.075%だった。

7年債入札

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.64倍と、過去10回の入札の 平均である2.83倍を下回った。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は46.3%だ った。過去10回の平均は39.7%。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「国内外で下半期の成 長率見通しが下方修正されたことで需要が伸びている」と指摘。「全体 として欧州債務危機による不透明感もある」と述べた。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札の落札比率は7.1%と、過去10回の平均である14.1%を下回った。

年初来リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、7年債の年初来リターンは4.5%。米国債全体のリターンは3.2%と なっている。昨年は米国債全体のリターンが9.8%に対し、7年債 は13.7%のリターンを上げた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は7月31日と8月1日に会合を開 く予定。先月の会合では量的緩和第3弾(QE3)には踏み切らなかっ たものの、バーナンキ議長は先週2日間にわたり行った議会証言でQE 3が選択肢の一つであることを示唆した。

ECBのドラギ総裁はこの日ロンドンで、「ECBはその責務の範 囲内で、ユーロ存続のために必要ないかなる措置をも取る用意がある」 と表明。同中銀の行動が「十分なことが判明するだろう」と付け加え た。

原題:Treasuries Fall as Draghi Pledge to Save Euro Curbs Haven Demand(抜粋)

◎NY金:続伸、ECB総裁発言を好感-米追加緩和への期待も

ニューヨーク金先物相場は続伸。欧州中央銀行(ECB)はユーロ を守るために必要なあらゆる措置を取るとドラギ総裁が表明したこと や、米国の追加緩和への期待が高まっていることから、買いが膨らん だ。

ドラギ総裁は26日の講演で「これらソブリン債のプレミアムが金融 政策の効果浸透の妨げとなっている限り、高利回りの問題はECBの責 務の範囲内にある」と述べた。米商務省が発表した6月の製造業耐久財 受注額は、変動の大きい輸送用機器を除く受注が1.1%減少し、5カ月 で最大の落ち込みとなった。これを受けて、米金融当局が成長安定策を 強化するとの観測が強まった。

調査会社CPMグループ(ニューヨーク)のマネジングディレクタ ー、ジェフリー・クリスチャン氏は電話インタビューで、「ドラギ総裁 の発言や、米国でなんらかの緩和措置が発表されるとの見方が強まって いることが相場上昇の要因だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.4%高の1オンス=1619.80ドルで終了。年初から は3.4%値上りしている。

原題:Gold Climbs on Draghi’s Euro Pledge, U.S. Stimulus Speculation(抜粋)

◎NY原油:3日続伸、米経済指標やECB総裁発言が手掛かり

ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。この日発表された米経済指 標を受けて、景気減速懸念が和らいだ。欧州中央銀行(ECB)がユー ロ存続を約束したことも買い材料になった。

6月の米製造業耐久財受注額は前月比で増加し、伸びは市場予想を 上回った。米新規失業保険申請件数は前週から減少した。ECBのドラ ギ総裁はユーロを守るために必要なあらゆる措置を取ると表明した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「強気 の経済ニュースが原油価格を押し上げる主要な材料になっている。景気 がやや好転しているようにもみえる」と指摘。「ドラギ総裁がユーロを 防衛すると発言したことで、市場の信頼感が高まった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比42セント(0.47%)高の1バレル=89.39ドルで終了。6月28日に終 値ベースの年初来安値77.69ドルを付けて以降、15%の値上がり。

原題:Oil Climbs for Third Day on U.S. Economic Reports, Euro Pledge(抜粋)

◎欧州株:反発、ストックス6001カ月ぶり大幅高-ECB総裁発言で

26日の欧州株式相場は反発。ストックス欧州600指数は5営業日ぶ りに上昇し、ほぼ1カ月ぶり大幅高となった。欧州中央銀行(ECB) のドラギ総裁がこの日、欧州単一通貨ユーロの存続のためにはいかなる 措置も辞さないと表明した。

銀行株が買われ、スペインのサンタンデール銀行が11%高。イタリ アのウニクレディトは9.2%の値上がり。世界2位の消費財メーカー、 英・オランダ系ユニリーバは4-6月(第2四半期)決算で売上高の伸 びがアナリスト予想を上回り、ロンドン市場で5.4%上昇。少なくと も1988年9月以来の高値となった。市場予想を超える好決算を発表した 携帯電話会社のフランステレコムも値上がりし、6.4%高。

ストックス欧州600指数は前日比2.5%高の256.58で終了。上昇率は 6月29日以来で最高となった。前日までは7%を上回るスペイン国債利 回りの急上昇を受け、4営業日で計4.4%下落していた。

オールド・ミューチュアル・アセット・マネジャーズUK(ロンド ン)のファンドマネジャー、ケビン・リリー氏は「当局者らはユーロ崩 壊を望んでおらず、最終的には通貨同盟を確実に維持するのに必要な決 断を下すだろう」と指摘。「スペイン経済が持続可能になるには、国債 利回りが5%を下回らなくてはならない。これには政策を通じた行動が 伴うはずだ」と付け加えた。

ドラギ総裁はロンドンでの講演で、「ECBはその責務として、ユ ーロの存続のために必要ないかなる措置をも取る用意がある」と表明。 スペインとイタリアの国債は値上がりし、利回りは低下した。

この日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇し た。

原題:European Stocks Rally as Draghi Pledges to Preserve the Euro(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債続伸、ECB総裁発言で

26日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が続伸。欧州中 央銀行(ECB)はユーロ存続のために必要とあればいかなる措置も 辞さないととドラギ総裁が表明。国債利回りの上昇を抑えるため同中 銀が行動する意志が示唆された。

スペイン国債の利回りは2年物が今月に入ってから最大の下げと なったほか、10年物は7%を割り込んだ。ドラギ総裁は高利回りへの 対処はECBの責務の範囲内だと語った。こうした発言を受けて域内 で最も安全とされるドイツ国債の需要が後退し、同国債は下落した。

アイルランド国債は堅調で、2年債利回りは4%を下回った。同 国政府はほぼ2年ぶりに国債を新規発行する計画を明らかにした。

KBC銀行の調査責任者ピエ・ラマン氏(ブリュッセル在勤)は、 「ドラギ総裁の発言は重要だ。ECBがスペインとイタリアの国債利 回りを積極的に押し下げる措置を検討していることを示唆した部分は 特に大事だ」と述べ、「スペインとイタリアの利回りへの極めて強い 圧力が緩和された。ドラギ総裁は何らかの措置を講じるための可能性 を開いた」と続けた。

ロンドン時間午後4時36分現在、スペイン2年債利回りは前日比 76ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.66%。一時 は79bp低下と、先月29日以来で最大の下げとなった。同国債(表 面利率4.75%、2014年7月償還)価格はこの日、1.375上げ

98.33。

イタリア2年債利回りは88bp低下し4.06%。

スペイン10年債利回りは44bp下げて6.93%。前日は1996年 11月以来の最高となる7.75%に達した。イタリア10年債利回りは 39bp低下の6.06%。

ドイツ10年債利回りは前日比7bp上げ1.33%。6月1日と今 月23日には過去最低となる1.127%まで低下した。2年債利回りは マイナス0.051%で、1bp上昇した。

原題:Spanish, Italian Bonds Rally as Draghi Pledges to Preserve Euro(抜粋)

◎英国債:5日ぶりに下落、ECB総裁発言で逃避需要が後退

26日の英国債相場は5営業日ぶりに下落した。欧州当局が債務危 機封じ込め措置を強化するとの楽観から、比較的安全とされる英国債 の需要が後退した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、欧州単一通貨ユ ーロの存続のためにはいかなる措置も辞さないと表明し、国債利回り 上昇を抑えるため行動する意志があることを示唆した。

10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の1.49%。同国債(表面利率4%、2022年3月償還) 価格は0.285下げ122.435となった。

2年債利回りは一時、過去最低となる0.046%まで低下。ドラギ 総裁発言を受けて上昇し、3bp上げ0.092%となった。

イングランド銀行(英中央銀行)は来週、金融政策委員会 (MPC)を開催する。今月行われた会合では量的緩和策である資産 買い取りプログラムの規模を500億ポンド拡大した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の英国債ストラテジ スト、サム・ヒル氏(ロンドン在勤)は、「量的緩和の観点からする と、英国債に対する強気な見方に変わりはない」と語った。RBCは 11月会合で量的緩和策がさらに500億ポンド拡大されると見込んでい るという。

原題:Pound Rises Most Against Dollar Since 2010 on Draghi Comments(抜粋)

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