GPIF理事長:今年度も国内債売却-年金支払い増加で

世界最大の資産規模を持つ日本の 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、人口の高齢化によ る年金支払い増加などで、2012年度も国内債券を売却していることを 明らかにした。

GPIFの三谷隆博理事長は25日、ブルームバーグ・ニュースと のインタビューで、「保険料収入よりも、団塊世代への年金支払いの伸 びが上回っている」と述べた上で、積立金を取り崩す環境にあり、国 内債券を売って現金化(キャッシュアウト)している状況にあるとの 見方を示した。

11年度は満期償還分を含め、国内債券7兆4637億円を現金化し た。01年の発足以来、日本国債の最大の買い手となっていたが、年金 特会の資金不足に対応して、10年度は国内債券などで約7兆円を現金 化し、その後も売却姿勢を継続している。

GPIFの積立金の資産配分は、政府規定により国内債券が67%、 国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%、短期資産5%と決めら れている。11年度末時点での収益率は2.32%だった。運用資産額は 113兆6112億円。収益額は2兆6092億円。

三谷氏は、日本国債の利回り曲線に関して、「日本銀行が大量に資 金供給を行っており、短い年限は残存4年ぐらいまで利回りが0.1% 近辺に低下している異常な状態。短い年限はそれほど魅力がない」と 分析した。ブルームバーグ・データによると、残存期間が4年までの 国債利回りは0.1%付近に低下し、3-4年債の利回り格差は12日、 1993年4月以来、初めてゼロを記録した。

運用収益は昨年度下回る推移

日経平均株価は25日、一時8328円02銭まで下落し、6月5日以 来の安値を付けた。外為市場でドル・円相場は25日の東京市場で一時、 1ドル=78円07銭と2月14日以来の円高・ドル安水準を付けた。

三谷氏は運用収益状況について、「今年度は円高が進み、内外株式 が下落しているので、昨年度の2.32%と比べて、今のところそれほど 良くない」と述べ、現時点では昨年度を下回る推移との見方を示した。

国内株に対しては「日本経済は昔ほど成長していないが、企業ベ ースで見れば、しっかりした企業は存在している。長期的に経済が停 滞したことで投資家が離れてしまった」とし、アンダーバリュー(過 小評価)され過ぎているとの見方を示した。

また、「最近、新興国株への投資を始めたばかり。受託機関はアク ティブ運用を採用している。伝統的な内外債券・株式だけでは、5- 10年先を見てもそれなりの運用益を得られないので、新しい資産への 運用も考えなければいけない」とも語った。

昨年度末時点の運用資産の時価総額の内訳は、国内債券が71兆 9127億円、国内株式が14兆1992億円、外国債券が9兆9301億円、 外国株式が13兆0205億円、短期資産が4兆5486億円。

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