山口副総裁:見通し下振れやリスク上昇なら緩和ちゅうちょせず

日本銀行の山口広秀副総裁は25日午 前、広島市内で講演し、「何らかのショックによって見通しが下振れた り、見通しをめぐるリスクが大きく高まるような場合には、追加的な金 融緩和を実施することをちゅうちょしない」と述べた。

山口副総裁は「やや長い目で見れば、日本経済は物価安定のもとで の持続的成長経路に復していくとみている」としながらも、「こうした 見通しをめぐっては、さまざまな不確実性が存在している」と指摘。 「特に、欧州債務問題の動向や為替相場の変動が日本経済に及ぼす影響 については引き続き十分な注意を払っていく必要がある」と語った。

消費者物価指数(生鮮食品を除くベース)の前年比上昇についても 「当面のめどとして目指している1%には2014年度以降遠からず達す る」とみているものの、「仮に経済・物価情勢が見通しどおりに展開し たとしても、消費者物価の前年比が1%に達するのは再来年度以降であ り、デフレ脱却に向けてはなお時間を要する状況にある」と述べた。

副総裁は足元の景気については「緩やかに持ち直しつつある」と指 摘。先行きは「日本経済は緩やかな回復が一応期待できるが、その不確 実性は大きい」と述べた。また、足元の動きについて「内需はやや強 め、外需はやや弱めという評価になる」とした上で、「海外経済は、な お減速した状態が続いているため、日本の輸出も思っていたより若干出 遅れ気味だ」と述べた。

海外経済もなお減速脱していない

海外経済については「昨年後半以降、成長ペースが幾分鈍化してお り、現在もなお減速した状態から脱していない」と述べた。米国経済は 「緩和的な金融環境にも支えられ緩やかな回復を続けている」と指摘。 先行きも「成長ペースが目立って加速することはないにせよ、基本的に は緩やかな回復が途切れることなく続いていく」との見方を示した。

欧州経済については「欧州債務問題の影響などから全体として停滞 しており、この先も当面、厳しい状況が続く」と指摘。中国は「景気の 減速が思いのほか長引いている」としながらも、「そう遠くない将来、 内需を中心に緩やかな回復経路に復していく」と語った。

副総裁はその上で「米国経済の緩やかな回復と中国経済の持ち直し を推進力としながら、海外経済は次第に減速局面を脱し、成長率は徐々 に高まってくると考えている」と述べた。

もっとも、「米国や中国を含めて海外経済の先行きには引き続き高 い不確実性がある」と指摘。中心的な経済の回復シナリオとリスクシナ リオが背中合わせとなっている状況が続いている」とした上で、「とり わけ、欧州債務問題の展開は最も注意すべきリスク要因だ」と述べた。