債券反発、米債高・株安や欧州懸念で買い-2年利回り7年ぶり低水準

債券相場は反発。前日の米国市場 で、欧州の債務問題への不安が強まり、株安・債券高となった流れを 引き継いで買いが優勢となった。新発2年債利回りは一時7年ぶり低 水準を付けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「株価が下落し ており、リスク回避の流れが続いている。20年債入札前のわりには足 元で堅調。昨日いったん入札に向けた調整でポジション(持ち高)を 落とした人もいたようだが、外部環境を見ると、売りづらい状況が続 いている」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は反発。前日比7銭高の144円58 銭で始まり、いったん3銭高の144円54銭まで伸び悩んだ。しかし、 午後に入って、日経平均株価が下げ幅を拡大すると、徐々に買いが優 勢となり、一時13銭高の144円64銭まで上昇した。結局、12銭高の 144円63銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は同1ベーシスポイント(bp)低下の0.725%で取引を開始。午後に入 って、水準を切り下げ、1.5bp低い0.72%に低下した。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは、米債高に加え、「海外株安や円高と、株価の下押し要因となる ことから、債券には買いが入りやすい状況になっている」と話した。

2年物の318回債利回りは0.09%と、前回取引のあった19日の

0.095%から0.5bp下げ、05年7月27日以来の低水準を記録した。そ の後は0.095%で取引された。5年物の105回債利回りは1bp低い

0.17%まで低下した。20年物の137回債利回りは1.5bp低い1.535%。 30年物の36回債利回りは一時1bp高い1.775%に上昇後、午後2時 半前後から1.77%で推移した。

上昇トレンド転換は困難

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、最近の堅調な相場推 移について、「ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)面では欧州 危機と米中景気不安が、需給面では海外勢の購入が続いている間、ト レンドを転換することは難しいだろう」とみる。日本証券業協会によ ると、外国人は短期証券を除いたベースで4-6月期に公社債を約

3.8 兆円買い越した。

24日の米国債相場は3営業日続伸。米10年債利回りは前日比4 bp低下の1.39%程度。米5、10、30年債利回りは過去最低を塗り替 えた。ロイター通信が欧州連合(EU)関係者を引用し、ギリシャの 債務削減目標は未達と見なされていると伝えたことが手掛かり。スペ インとイタリアの国債利回りは一段と上昇した。一方、米株相場は続 落。S&P500種株価指数は0.9%下げて1338.31。

あす20年債入札、需要見極め

財務省は26日、20年利付国債の価格競争入札を実施する。前日 の入札前取引では1.56%付近で推移した。このため、表面利率(クー ポン)は前回債から0.1-0.2ポイント低下の1.6-1.5%が見込まれ ている。発行額は1兆2000億円程度。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券スト ラテジストは、「今回債のクーポンは前回債から0.1ポイント引き下げ の公算が大きいが、10年対比、スワップ対比での妙味や海外市場のリ スク回避の動きがサポートになる」と予想。また、ドイツ証の山下氏 は、「生命保険会社が積極的に買うとは思えず、銀行勢の出方次第。キ ャピタル(値上がり益)狙いの買いが入るのか見極めたい」と語った。