貿易収支は4カ月ぶりの黒字、予想は赤字-輸入が30カ月ぶり減

6月の日本の貿易収支は、予想に反 し4カ月ぶりの黒字となった。中国経済の減速に加え欧州の景気悪化で 輸出額が4カ月ぶりのマイナスに転じたものの、石炭など鉱物性燃料や 非鉄金属の価格下落を受けて輸入額が30カ月ぶりに減少した。

財務省が25日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出 額は前年同月比2.3%減の5兆6438億円。輸入額は 同2.2%減の5 兆5822億円だった。差し引きした貿易収支(原数値) は617億円の黒字 となった。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中 央値は、輸出額が前年同月比3.0%減、輸入額は同1.1%増だった。貿易 収支は1400億円の赤字。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは発表内容を受け、貿易黒 字となったことを「ポジティブに評価できる」とする一方で、「海外経 済減速の影響が顕在化して輸出の先行きに不透明感が一段と強まるな ど、明暗が混在する内容」と指摘。「輸出の鈍化と輸入水準の高止まり によって、貿易収支が黒字基調に転じるには今しばらく時間を要する」 との見方を示した。

輸出品目では、主力の自動車が同8.6%増加したが、伸び率は前月 (87.4%増)に比べて大幅に縮小。同部品も22.1%増と前月(46.1% 増)からほぼ半減となった。一方で、鉱物性燃料や電子部品が減少し た。同省は世界経済の減速感が広がる中で、今後、自動車輸出の動向を 注視する必要があるとしている。

上半期の貿易収支は過去最大の赤字

地域別では、自動車が堅調な米国向けが前年同月比15.1%増と8カ 月連続で増加したが、欧州向けが21.3%減と大幅に落ち込み、全体を押 し下げた。アジア向けも4.4%減と2カ月ぶりのマイナスに転じた。

輸入は火力発電向けの液化天然ガスが前年同月比24.5%増と引き続 き増えたが、原粗油も含めて伸び率は縮小。石炭が17.6%減だったほ か、非鉄金属が数量・金額ともに減少し、28.5%減と落ち込んだ。

季節調整済みの前月比では6月の輸出額は1.4%減と2カ月連続で 減少。輸入は同6.5%減と2カ月ぶりに減少した。

同日併せて発表された2012年上半期の貿易収支は2兆9158億円の赤 字となった。赤字幅は過去最大。輸出は自動車が好調だった米国向けが 主導する形で前年比1.5%増と3期ぶりに増加したが、液化天然ガスの 輸入増や鉱物性燃料の高止まりを受けて輸入が同7.4%増と上回った。

--取材協力:. Editors: 小坂紀彦, 杉本 等