銀行支援で窮地のスペインを救え-ECBへの権限集約急ぐ

スペインの国家財政悪化と国内銀行 の経営難の連鎖を断ち切ろうとする欧州の取り組みは、欧州中央銀行( ECB)の権限強化を迅速に実行できるかどうかが鍵だ。

ユーロ圏首脳がドイツの疑念やECBの懸念などに対処しない限 り、スペインは最大1000億ユーロ(約9兆4300億円)規模の銀行向け救 済策を取り付けたものの難しい状況に置かれたままとなる。公的資金の 損失が膨らむ事態を避けたい政策当局だが、アイルランドやアイスラン ドと同じよう国家財政破綻のリスクに直面している。

英金融サービス機構(FSA)のターナー長官は24日のロンドンで のスピーチで、「国家と銀行の破滅的な連鎖を断ち切らねばならない。 そうしなければ、現行のユーロ圏プロジェクトは駄目になる」と指摘、 ユーロ圏には銀行の資本を直接増強できる集権的な基金の創設に向けて 急速な進展が必要だと述べた。

銀行と国家が債務不安を互いに増幅させる負の連鎖を是正する取り 組みの第一歩として、当局は9月を期限にECBに銀行の監督権限を移 行する計画の策定を急いでいる。現状ではスペイン政府経由での銀行救 済となることから、同国の借り入れコストはユーロ導入後の最高を更 新、10年債利回りは7.5%を超えている。ドイツの10年債利回りは 約1.2%。

ウニクレディト銀行のグローバルチーフエコノミスト、エリック・ ニールセン氏(ロンドン在勤)は「スペインの銀行が『ECBの監督を 受けている』という看板を大きく掲げられる日が来れば、預金流出のリ スクは低下する」と語った。

銀行監督の一元化計画の策定を担っている欧州連合(EU)の行政 執行機関、欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担当) によると、当局はECBをユーロ圏だけでなくEU加盟国全ての銀行の 監督者として位置づける文書を作成中で、各国の監督当局の役割縮小も 明確にしたい意向。また、ECBが各国当局に委ねる職責の範囲や、各 国当局の業務の調整などを行っている欧州銀行監督機構(EBA)が果 たすべき役割の見極めも進めている。

原題:EU Rushes to Make ECB Single Bank Watchdog in Race to Save Spain(抜粋)

--取材協力:James Hertling.