NY外為:ユーロがドルと円に対して5営業日連続安

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルと円に対し5営業日連続安となった。欧州ソブリン債危機深 刻化への懸念から安全とされるドルと円への逃避需要が膨らんだ。

ユーロは対ドルでは2010年6月以来の安値に下落。ギリシャの債務 削減目標が未達となる可能性があるとの一部報道もユーロ下落の手掛か りとされた。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは 前日、ドイツとオランダ、ルクセンブルクの格付け見通しを引き下げ た。円は主要16通貨全てに対して値上がり。日本政府は行き過ぎた円高 には介入も辞さない姿勢を示しているものの、逃避需要の高まりから円 は買い進まれた。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「全般的 にリスク回避の動きが見られる」とし、「ギリシャの再建では、債務の 削減方法をめぐり欧州中央銀行(ECB)と欧州連合(EU)の当局者 の間で醜い内輪もめが起きる可能性がある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対円で前日比0.7%安の 1ユーロ=94円31銭。一時94円12銭と、2000年11月以来のユーロ安・円 高水準となった。5日続落は、5月31日までの連続安以来で最長。ユー ロは対ドルでは0.5%下げて1ユーロ=1.2061ドル。一時1.2043ドル と、2010年6月以来の安値を付けた。円は対ドルで0.3%値上がりし、 1ドル=78円18銭。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは今年に入り5.6%下落。下落率は10通貨中で最悪とな っている。一方で円は0.4%高、ドルは2.3%の値上がり。

スイス・フラン

スイス・フランは軟化。2010年12月以降では初めてとなるドルとの パリティー(等価)に近づいた。フランは0.5%安の1ドル=0.9958フ ラン。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.2010フラン。

欧州債市場では、スペイン債が下落。同10年債利回りは7.636%と ユーロ導入後の最高に達した。7%の利回りは、ギリシャやアイルラン ド、ポルトガルが国際的な金融支援を要請した水準。またイタリア10年 債は6.598%に上昇し、1月17日以来の高水準。

クレディ・アグリコルのシニア為替ストラテジスト、アダム・マイ ヤーズ氏(ロンドン在勤)は、ブルームバーグラジオのインタビュー で、「スペインも救済されることになるだろう」と指摘。「現在の水準 では利払いは持続不可能だ」と続けた。

ムーディーズは前日、スペインやイタリアなど欧州諸国への共同支 援の公算が大きくなっており、それがドイツやオランダの「Aaa」格 付けに「マイナス」の影響をもたらしつつあると説明した。ムーディー ズはドイツ、オランダ、ルクセンブルクの格付け見通しを「ステーブル (安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に変更した。

「不透明感の高まり」

バンク・オブ・モントリオールのグローバル通貨ストラテジスト、 アンドルー・ブッシュ氏(シカゴ在勤)は「欧州の中でも財政が最も健 全な国の格付け見通しがネガティブとなったことは厄介な事態だ」と し、「格付け会社は単に債務コストをめぐる不透明感の高まりを考慮し たのだろう」と続けた。

ユーロ圏のサービス業と製造業を合わせた7月の経済活動は6カ月 連続で縮小し、これもユーロには弱材料となった。マークイット・エコ ノミクスが24日発表した7月のユーロ圏総合景気指数(速報値)は46.4 と、前月から変わらずとなった。同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ 目とされる。

原題:Euro Weakens to Lowest Since 2000 Against Yen on Europe Concern(抜粋)

--取材協力:Masaki Kondo、Lindsey Rupp、David Goodman.