取引急増で「鯨」のポジション評価上昇-JPモルガン

取引の急増で米銀JPモルガン・チ ェースが保有していたクレジット・デリバティブの評価が一時的に押し 上げられたことは、58億ドル(約4500億円)に膨らんだ損失を同行トレ ーダーが覆い隠そうとしたかどうかを探る手掛かりになる可能性があ る。

1月後半と2月末の取引急増で、企業の信用力に連動する指数の売 買高は2倍強に上り、指数のコストを押し下げ、同行のポジションの評 価を押し上げた。急増したのは月末の銀行監査で価格が確認される直前 だった。

こうした取引パターンはこの問題の調査担当者の指針となりそう だ。JPモルガンは当初開示したよりもデリバティブ損失が拡大したこ とを説明するため1-3月(第1四半期)決算を修正した。チーフ・イ ンベストメント・オフィス(CIO)部門でこの取引に関与したロンド ンの担当グループを閉鎖しており、内部調査で従業員が損失を隠そうと した可能性を示す証拠が見つかったと詳細には触れずに明らかにしてい る。

ヒューストン大学でデリバティブ市場を中心に研究するクレイグ・ ピロン教授(金融学)は電話インタビューで、評価方法の整合性に関す るJPモルガンのコメントについて、「これは大変な危険信号だ」と述 べ、「パンドラの箱を開けることになり得る」と語った。

コロンビア大学法科大学院のジョン・コフィー教授(証券法)は、 トレーダーがポジション評価を押し上げるため指数の価格を操作しよう としたかどうかを調査官は調べるだろうと予想。こうした行動は「株価 操作」と呼ばれる行為に似ており、「薄商いの中で価格に影響を及ぼし たいという欲だけに駆られた購入」に関係すると分析した。

JPモルガンはマークイットCDS北米投資適格級シリーズ9 (IG9)で極めて大きなポジションを取っていたため、価格のわずか な変化でもポジションの評価額に大きな違いが出る可能性がある。

原題:Trading Surges Boosted Whale’s Position Before JPMorgan Audits(抜粋)

--取材協力:Dawn Kopecki、Matthew Leising、Patricia Hurtado.