NY外為:ユーロが対円で11年ぶり安値-欧州懸念が強まる

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロが円に対し約11年ぶり安値を付けた。債務危機の収束を目指す欧州 首脳らへの取り組みに対する疑念が強まり、逃避需要が膨らんだ。

ユーロは対ドルでは約2年ぶり安値を付け、導入後の平均を割り込 んだ。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがドイツと オランダ、ルクセンブルクの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ ると、ユーロは下げを拡大。これより先、スペインの6つの地方政府が 中央政府に救済を求める可能性があると同国紙パイスが報じたことを受 け、スペインの財政悪化懸念が高まり、同国10年債の利回りはユーロ導 入後の最高を更新した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリス ト、オマー・エシナー氏は電話インタビューで、「スペインの地方政府 が救済を要請するとなれば、すでに債務過多の中央政府の重荷を増やす のは明らかだ」と指摘。「そうなれば、スペインに対するより幅広い救 済が一段と不可避なものになる」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前週末比0.3% 安の1ユーロ=1.2117ドル。一時0.7%安の1.2067ドルと、2010年6月 以来の安値を付け、1999年のユーロ導入後の平均1.2087ドルを下回っ た。ユーロは対円では0.5%値下がりし94円99銭。一時94円24銭 と、2000年11月以来の円高・ユーロ安水準となった。円は対ドル で0.1%高の1ドル=78円40銭。

ムーディーズ

ムーディーズは、ユーロ圏からのギリシャ離脱のリスク、およびス ペインやイタリアなどへの共同支援の可能性が強まったことを格付け見 通し変更の理由に挙げた。

これより先、逃避需要が落ち着き、株価が下げを縮めると、ユーロ はドルと円に対する下げを縮小した。米株式市場ではS&P500種株価 指数が0.9%安。一時1.8%安となった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのエシナー氏は「リ スク回避の地合いが多少収まるにつれ、円のロング(買い持ち)ポジシ ョンは縮小する」とし、「円が高値から値下がりしたことも、市場が多 少安定していること示すシグナルだ」と続けた。

資産家でヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソン氏は、顧 客に対し、ユーロ圏分裂の確率は50%との予想を示した。23日の電話会 議に出席した投資家が明らかにした。この投資家は、電話会議が非公開 との理由から匿名を条件に語った。ポールソンの広報担当アーメル・レ スリー氏はコメントを控えた。

ユーロのパフォーマンス

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは今年に入り5.4%下落。下落率は10通貨中で最悪とな っている。一方で円は0.2%安、ドルは1.9%値上がり。

市場が混乱する中、スペインとイタリアは株式の空売り禁止に乗り 出した。スペイン証券取引委員会(CNMV)は全ての株式について3 カ月にわたり空売りを禁止すると発表。またイタリア証券取引委員会 (CONSOB)は1週間の予定で一部の銀行・保険株の空売り禁止措 置を導入したと発表した。

一方ギリシャをめぐっては、救済合意の条件を履行することへの疑 念が広がる中で、欧州連合(EU)欧州委員会と欧州中央銀行 (ECB)、国際通貨基金(IMF)の通称トロイカの代表団が24日に アテネ入りする。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「とにかく ユーロ圏はリスクが高い状況だ。情勢がこの先どうなるか投資家の不安 は高まっている」とし、「スペインには正式な救済が必要になる公算が 大きいとの懸念が強まりつつある」と加えた。

原題:Euro Slides to Weakest Since 2000 Versus Yen Amid Europe Concern(抜粋)

--取材協力:Masaki Kondo、David Goodman.

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