若い労働力供給で突出した恩恵受けるフィリピン-日中高齢化

フィリピンの造船所で行われた5 万8000トンの貨物船「オーシャン・シンフォニー」の進水式で旗を振っ たホセ・ウィニリト・タンキスさんが自慢げなのには理由がある。自ら この船の製造にかかわったでなく、長男のジョンさんもこの造船所で働 いているためだ。

タンキスさん(47)はセブ島バランバンにある日本2位の造船会社 ツネイシホールディングスの造船所で現場監督を務める。ジョンさん (21)を含め6人いる子供は今後10年の間に次々労働市場に入ることに なる。

ツネイシが製造拠点にフィリピンを選んだ理由の1つは、若い労働 者の供給拡大で得られるいわゆる人口ボーナス(人口学的な配当)だ。 同国では労働者の平均年齢が日本の半分だ。

世界で最も急速な少子高齢化が進んでいるのが、日本や韓国、中国 などアジアで製造業が盛んな国々だ。一方、東南アジア新興国は若い世 代の割合が大きい。安価な労働力を求め製造拠点や雇用、投資が南に向 かう中で、10カ国から成る東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長は 加速する流れにあると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)はみてい る。

日中韓

伊藤忠経済研究所の丸山義正主任研究員は「日本、韓国は人口ボー ナスの時期は過ぎている。中国はまだ終わってないが、いずれ終わって しまう。ASEANの方は、人口ボーナスがいま行われていて、かつま だ続く」と述べた。

BOAのメリルリンチ部門でエコノミストを務めるチュア・ハクビ ン氏(シンガポール在勤)は、労働力人口の好影響を受けそうな国の中 ではフィリピンは「突出」していると語る。経済成長率が今後10年間に 最大1.5ポイント拡大する公算が大きいという。

メリルリンチの4月27日のリポートによると、フィリピンの労働力 人口は2010年から20年までにほぼ1800万人(31%)増え7500万人に達す る見通し。マレーシアは19%増の2200万人、インドネシアは約1800万人 余り増え1億8000万人に上ると想定される。

メリルリンチによれば、中国の労働力人口は20年に約9億7000万人 でピークを付ける見込みだ。労働人口の中央値は約3歳余り上がっ て37.8歳となる。日本は48.5歳、韓国も43.4歳にそれぞれ上昇する。一 方、フィリピンは23.9歳、マレーシアは28.4歳になる見通し。

--取材協力:Chris Anstey、Kevin Hamlin、Chong Pooi Koon.

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