米ブラックロック、社債が新たな逃避先に-国債利回りゼロで

ゼロ金利未満の指標国債利回りに失 望感を抱く世界の主要債券投資家らは 市場を襲っている世界的な混乱 からの新たな逃避先として社債に目を向けている。

米資産運用会社ブラックロックやグレンミードなど少なくとも6社 は、社債投資を増やしており、過去最高のリターンに寄与している。こ れら6社の運用資産は計4兆ドル(約310兆円)を超える。9542銘柄で 構成するバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのグローバ ル・ブロード・マーケット・コーポレート指数(金利再投資含む)は7 月の上昇ペースは3.61%となりそうな勢いだ。これは指数算出を開始し た1997年以来最大。年初来では14%上昇している。

ブラックロックの部門のチーフ投資ストラテジスト、ユーウェン・ キャメロン・ワット氏は17日の電話会議で、「米国や英国、ドイツの市 場は非常に割高感がある」とした上で、同社は「実質利回りが得られる もの」を選好すると述べた。

世界経済が鈍化基調にあり、格下げ件数が格上げ件数を上回ってい るにもかかわらず、需要拡大を背景に世界の企業が今年これまでに実施 した起債額は約2兆1600億ドル。これはブルームバーグのデータで過去 2番目のペースだ。企業は調達資金を、中銀が望むような事業拡大や採 用には活用せず、主に借り換えや手元資金上積みに充てている。

ブルームバーグのデータによると、S&P500種株価指数の構成銘 柄では総資産に占める現金の比率が約10%と、5年前の5.7%から上昇 している。

利回りは2倍

BOAメリルリンチの指数によると、投資適格級の社債利回りは過 去最低の約3%だが、これは国債の2倍超の水準だ。その格差は先週末 に205ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となっており、金融 危機が始まる前の2006年と、07年1-6月(上期)の平均71bpを大き く上回っている。

米国やドイツ、英国、スイスの国債利回りがインフレ調整前あるい は調整後でゼロ未満になっているため、社債利回りは強い魅力があ る。10年物米国債のいわゆる実質利回りはマイナス0.2%程度。ドイツ と英国の実質利回りもそれぞれ0.48%、0.88%のマイナス利回りとなっ ている。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、米10年債利回りは 先週3bp低下の1.46%。同年債(表面利率1.75%、2022年5月償還) 価格は9/32上げて102 21/32。6月1日には1.4387%と過去最低を付け ている。

原題:BlackRock to Glenmede Seek Safety in Corporates Amid Zero Yields(抜粋)

--取材協力:Cecile Gutscher.