【今週の債券】長期金利0.7%前半で低下探る、欧州不安や米景気懸念

今週の債券市場で長期金利は0.7% 台前半で低下余地を探る展開が見込まれている。需給の良さに加えて、 欧州債務問題に対する不安、米国の4-6月期の国内総生産(GDP) は弱めの内容が予想されており、国内金利に低下圧力が掛かりやすい。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが20日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、 全体で0.70-0.80%となった。前週末終値は0.745%。

前週の長期金利は連日水準を切り下げ、20日には一時0.735%と 2003年6月27日以来の低水準を記録した。また、超長期債主導の相 場上昇が鮮明となり、新発20年と30年債利回りはともに2年ぶり水 準まで下げ、利回り曲線はフラットニング(平たん化)した。ソシエ テ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジストは、相場上 昇を伴う「超長期債のブルフラットニングが継続する」と予想する。

前週末の米国債市場では欧州懸念の強まりから、資金を比較的安 全な国債に振り向ける動きから金利が低下しており、国内債市場でも 買い材料となる見込み。スペインではリセッション(景気後退)の長 期化観測や同国自治州の財政懸念が高まったことを背景に国債利回り が安定して資金調達ができない水準とされる7%を大きく上回った。 欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債などを当面は資金供給の担保 として受け入れないと発表したことも欧州懸念に拍車が掛かった。

27日には米国で4-6月期の実質GDPが発表される。ブルーム バーグの予測調査によると、前期比年率1.5%増加が見込まれている。 1-3月期は同1.9%増だった。パインブリッジ・インベストメンツ 運用本部の松川忠債券運用部長は米GDP統計について「1%台から 1%割れとの見方もあり、弱い数字が予想されており、米追加緩和期 待が盛り上がりやすい。円高圧力がかかりやすく、株価が調整し、債 券が買われる可能性がある」と述べた。

20年債入札、利率低下で需要見極め

国内では、26日に20年利付国債(7月発行)の価格競争入札が 実施される。前週末の入札前取引では1.56%程度で推移した。このた め、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低下の1.6%か、

0.2ポイント低下の1.5%となる見込み。発行額は前回債と同額の1兆 2000億円程度。一方、24日には流動性供給入札(発行額3000億円) が実施される。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、20年入札に ついて、「証券会社のショートカバー(売り建ての買い戻し)の需要が ある。波乱なく通過できれば、強い地合いが続く。一方、生保や損保 などの買いがないことが確認されれば、金利は反転上昇する」と述べ た。みずほ信託銀行債券運用部の吉野剛仁チーフファンドマネジャー は「流動性供給や20年債入札が重しとなり、10年-20年債の格差80 ベーシスポイント(bp)割れではフラット化も限定的」とみる。

20日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は9月物、10年国債利回りは324回債。

◎パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長

先物9月物144円25銭-144円75銭

10年国債利回り=0.7%-0.76%

「上値追いに慎重ながらも、足元の需給が良好なため、基本的に は相場は強気基調が続く。長期金利は0.70%を目標に買っている投資 家が多い。しかし、同水準を一気に下抜けるのは難しそうだ。20年債 入札前は、動きが鈍るものの、入札通過後には20年債利回りは1.5% を目指す展開となりそうだ」

◎ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト

先物9月物144円00銭-145円00銭

10年国債利回り=0.70%-0.80%

「7月の利回り曲線修正は、短いゾーンの金利がつぶれ、国内投 資家がデュレーション(期間)リスクを取りにいかざるを得なくなっ たことが背景。超長期債の需給好転で海外勢のイールドカーブ取引も 入りやすく、10-20年債利回り格差は5bp程度の縮小余地がある。流 動性供給と20年債入札は長期化が続くことを確認する試金石」

◎損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアイン ベストメントマネジャー

先物9月物144円20銭-144円80銭

10年国債利回り=0.70%-0.77%

「欧州情勢次第だが、スペイン財政問題の進展が見込めなければ、 需給環境が良いため、相場は堅調地合いが続く見込み。国内投資家が 買い遅れていることに加え、海外債券の金利が低下して妙味が薄れて いることが背景にある。ただ、水準的には一段と買い進む感じではな く、0.7%割れには材料不足ではないか」

◎みずほ信託銀行債券運用部の吉野剛仁チーフファンドマネジャー

先物9月物144円10銭-144円70銭

10年国債利回り=0.72%-0.78%

「長期金利は0.7%台での推移。超長期主導の金利低下がさすが に一服する見通しで、一段と金利低下が進むというより横ばい圏かや や上昇のイメージだ。投資家の多くは4-6月期に買いそびれたが、 直近の取引で相応に積み増した印象。低い金利の5年債などからの年 限長期化の入れ替えの動きもいったん落ち着く見通し」

--取材協力:船曳三郎、赤間信行 Editors:山中英典、持田譲二

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