米国債:5年債利回りは過去最低-スペインへの不安強まる

米国債相場は上昇。5年債利回りは 過去最低を付けた。スペインの銀行救済が最終承認を得た後、同国は景 気後退(リセッション)が来年も続くとの見通しを示した。これを受け て米国債の安全性を求める動きが強まった。

10年債利回りは過去最低付近で推移。スペインでは17の自治州の一 つ、バレンシアが中央政府に対する救済申請を準備している。ユーロ圏 諸国の財務相らはこの日、1000億ユーロ規模のスペインの銀行救済を最 終承認した。欧州債市場では、ドイツ10年債に対するスペイン10年債の 利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大し、過去最大となった。またドイ ツ国債に対するイタリア国債のスプレッドは1月以降で最大の幅となっ た。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デビッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「依然として、米国債市場は安全 な逃避先だと誰もが考えている」と指摘。利回りは「さらに低下するこ ともあり得る。要因は欧州情勢だ。欧州をめぐる不安ということだ」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時7分現在、5年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し0.57%。一時0.5684%と、16日に付けたそれま での過去最低0.577%を下回った。10年債利回りは5bp下げ て1.46%。一時1.4449%を付けた。過去最低は6月1日に付け た1.4387%。

2年債利回りはほぼ変わらずの0.21%。一時0.2015%と、昨年9 月23日以来の低水準となった。

欧州不安

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイナ ス0.9652%と、米国債が最も割高な水準付近にあることを示している。 過去最低は6月1日に付けた0.9772%。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「欧州をめぐる不安 だ。特にスペインに関するニュースが懸念されている」とし、「銀行救 済パッケージは承認されたが、今度は国内の一部地域が中央政府に支援 を要請する準備をしているという。これが新たな懸念を生み出し、米国 債買いにつながった」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債のリターンは前日までの3カ月で2.5%。一方、株式のMSCI オールカントリー世界指数のリターンは、配当金の再投資を含めてマイ ナス2.1%。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スペイン 債の保証コストが5日連続で上昇。19bp上げて598bpと、6月18日 に付けた過去最高(624bp)に近づいている。外国為替市場では、ユ ーロが対円で2000年以来の安値、対ドルでは2年ぶり安値をそれぞれ付 けた。

安全求める動き

ユーロは対円で一時1.2%安の1ユーロ=95円35銭と2000年11月以 来の円高・ユーロ安水準となった。対ドルでは一時1.1%値下がりし1 ユーロ=1.2144ドルと、2010年6月以来の安値。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「継続中の債務問題が影響しているようだ」とし、「それが米 国への逃避の流れを強めている」と述べた。

原題:Treasury 5-Year Yields Fall to Record on Spain’s Debt Crisis(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

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