【日本株週間展望】続落へ、世界景気減速や業績に懸念-決算本格化

7月第4週(23-27日)の日本株 相場は続落する見込み。中国など世界景気の減速に対する不安が根強 い中、輸出や素材など景気敏感株を中心に売りが膨らみそうだ。本格 化する4-6月決算の発表を見極めたいとのムードも強まる。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「金融緩和期待で株価は支えられているが、世界経済減速のインパク トは完全に織り込まれていない」とし、「良質の海外マネーが日本株か ら抜けている状態にあり、株価に強気になれない」と話している。

第3週の日経平均株価は前の週に比べ0.6%安の8669円で終え、 週間では2週連続の下落。米モルガン・ スタンレーのトレーディング 収入が大幅に落ち込み、利益が市場予想を下回ったことなどの影響か ら金融株が下げたほか、原子力発電所の稼働不透明感から電力株の下 落も顕著だった。

7月4週は、米国で24日に5月の米連邦住宅金融局(FHFA) 住宅価格指数、25日に6月の新築住宅販売、26日に6月の耐久財受注、 27日に4-6月期の国内総生産(GDP)の発表が予定されている。 中国では24日に7月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)、欧 州では25日にドイツの7月のIfo企業景況感指数などがある。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、米国の新 築住宅販売は前月比0.3%増(前月は7.6%増)、耐久財受注は同0.5% 増(同1.1%増)、GDPは前期比年率1.5%増(前回1.9%増)とそ ろって伸び率鈍化が見込まれる。住宅市場の底入れ期待がある中で、 住宅価格や新築住宅販売の伸び悩みが確認されれば、株価の上値を抑 える可能性がある。

中国統計は低調公算

また、重要指標の中国PMIについて、富国生命投資顧問の森智 勝ファンドマネジャーは「悪い結果になるだろう」と予想。金融政策 の転換から時間が経過し、一定のプラス効果が出始めれば株価の下支 え要因になり得るが、「引き続き悪化傾向に変化がなければ、中国向け が多い日本企業にとって懸念材料になる」と言う。

マクロ環境に不安が残る中、米国企業の4-6月決算では23日に マクドナルドやコカ・コーラ、24日はアップルやAT&T、25日はキ ャタピラーやVISA、26日フェイスブック、27日シェブロンなどが 公表予定。ブルームバーグの集計によれば、S&P500種銘柄の企業 全体では前年同期比2.1%の減益が見込まれている。

国内決算が本格化

一方、国内でも第4週から4-6月期の決算発表が本格化する。 東京証券取引所によると、同週中には全体の14%の企業が発表を予定 し、7月中では40%が終える見込み。今回の発表ピーク日は、7月31 日の291社(全体の17%)だ。コモンズ投信の伊井哲郎社長は、「例 年この時期でのガイダンスは慎重になるため、大きな期待はしづらい。 為替も当面は円高バイアスだろう」と予想、日本株は弱含みでのもみ 合いになりそうだ、とみている。

主な決算発表予定は、23日にカゴメやJSR、メルコホールディ ングス、24日に日本電産、25日に花王や日立建機、ファナック、任天 堂、KDDIなど。週半ば以降に大手企業の発表が増え、26日は信越 化学工業、JFEホールディングス、アドバンテスト、日産自動車、 野村ホールディングス、27日には富士フイルムホールディングス、コ ニカミノルタホールディングス、NTTドコモなどが控える。

大和住銀投信投資顧問の窪田真之シニアファンドマネジャーは、 「景気減速によって、4-6月は世界的に業績が市場コンセンサスや 計画に対して良くない」と指摘。国内企業の業績動向も、「中国の回復 の遅れで機械セクターは悪い。エレクトロニクスセクターも良くない」 とし、需要の伸び鈍化や価格下落で鉄鋼、石油化学など素材関連業種 にも懸念があると言う。

金融緩和期待が底流に

もっとも、世界的な金融緩和への期待感は相場全体を下支えしそ う。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、景気 の減速が一時的なものかどうかを連邦公開市場委員会(FOMC)が 見極めており、雇用改善で進展がなければ追加措置を講じる意向だと 述べた。次回のFOMC会合は7月31日と8月1日に開催される。

プレステージ・アセット・マネジメント証券の井上哲男チーフ・ ストラテジストは、「企業決算で一喜一憂はあるが、4週はFOMC待 ちでレンジを超える動きにはならないだろう」との見方。当面の日経 平均レンジは、信用評価損率ギャップ(買い残評価損益-売り残評価 損益)から試算した9000円-8480円としている。

また、UBS証券ウェルスマネジメント部CIOリサーチヘッド の居林通氏は、株価純資産倍率(PBR)など日本株のバリュエーシ ョンの割安さ、業績は2011年からの大きなリバウンドが予想されてい る点に言及。「日本株の業績に対する不安は相対的に小さく、株価の下 値は限られている」との認識だ。