ユーロ下落、欧州の先行き不安で-アジア株安でリスク回避も

東京外国為替市場ではユーロが下 落。スペインの国債利回りが再び7%台に乗せるなど、ユーロ圏の金融 問題をめぐる先行き不透明感が根強く、この日はアジア株の下落を背景 としたリスク回避の動きも相まって、ユーロ売り圧力が強まった。

前日の海外市場で一時1ユーロ=96円14銭と、6月1日以来の安値 を付けたユーロ・円相場は、朝方には96円71銭まで値を戻したものの、 その後はじりじりと下落。午後には96円23銭まで下げ、午後3時35分現 在は96円29銭付近で取引されている。ユーロ・ドル相場は朝方に付けた 1ユーロ=1.2283ドルを上値に、1.2247ドルまで水準を切り下げ、その 後も1.22ドル台半ば近辺で上値の重い展開となった。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、欧州情勢 に関しては大きな材料が一服して、「中だるみ」感が否めない中、「漫 然とした不安」が残ると指摘。この日はユーロ圏財務相の電話会議が控 えているが、市場が楽観に傾くような内容は「全く期待できない」と言 い、「リスクテークというムード」になれない中で、アジア株の軟調を 背景とした持ち高調整に伴ってオーストラリア・ドルやユーロを中心に クロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)の売り(円は買い)が出やす かったと説明している。

ドル・円相場は朝方にやや円売りが先行し、1ドル=78円81銭まで 円安が進行したものの、午後にかけては円が上昇。一時は78円54銭まで 円が水準を切り上げた。午後3時35分現在は78円56銭付近で推移してい る。前日の海外市場では一時78円43銭と、6月5日以来の円高値を付け ていた。

この日の東京株式相場は日経平均株価の下落幅が100円を超えて取 引を終了。アジア株も中国を中心にほぼ全面安の展開となっている。

欧州の先行き不透明感根強い

19日の欧州債市場では、スペインで実施された入札で借り入れコス トが上昇したこと受けて、同国債利回りが1週間ぶりに7%台に乗せ た。

ドイツ議会は19日、ユーロ圏諸国によるスペインの銀行救済向け金 融支援を承認。採決に先立って、ショイブレ財務相は支援資金の返済責 任はスペイン政府にあると説明していた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、スペイン国債の 利回りが上がっており、まだ今後もスペイン、イタリアあたりの金利動 向が重要になってくると指摘。ユーロ圏の救済策に関しては必ずドイツ の意見が出てきて議論になるため、欧州情勢は「なかなか安定しない」 と言い、ユーロが1.23ドルをなかなか超えられない背景にあると説明し ている。

そうした中、ドイツ財務省は20日までに発表した月報で、鉱工業生 産の鈍化に伴い同国経済が4-6月に減速した公算が大きいことを明ら かにしている。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のストラテジス ト、アンドルー・ソルター氏(シドニー在勤)は、欧州経済は問題が山 積しており、かなり明白に「深刻な景気縮小」の状況にあるとしてい る。

-- Editors: 青木 勝, 持田譲二

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift

+81-3-3201-2078 rswift5@bloomberg.net