債券は反落、先物9年ぶり高値更新で警戒感-超長期債に反動の売り

債券相場は反落。先物相場が9年 ぶり高値を更新し、長期金利が連日で9年ぶり低水準を付けたことで 警戒感が強まり、売りが優勢になった。前日まで超長期債主導で上昇 が続いたことの反動売りも相場の重しとなった。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは「きのう利回 り曲線が大きくブル・フラット(平たん)化したことの反動が出てい る」と説明。日本証券業協会が発表した6月の国債投資家別売買動向 で超長期債について「生保・損保の実需の買いはあまり多くなく、短 期のディーリング取引が中心とみられることも嫌気された」とも話し ていた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比4銭安の144円45銭で 開始し、一時は144円41銭まで下落した。しかし、午後に入ると水準 を切り上げ、日経平均株価の下げが加速すると4銭高の144円53銭ま で上昇。中心限月で2003年6月17日以来の高値を付けた。その後は 再び水準を切り下げ、結局3銭安の144円46銭で引けた。

先物相場が午後に一時上昇に転じて、9年ぶり高値を更新したこ とについて、パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債 券運用部長は「朝方は20年債などに利益確定売りが出て、いったん軟 化したものの、押し目買いが入った。売りが出るとすぐに買いが入り、 需給が良い状況」と指摘。一方で、「さすがに前日引値よりも買い上が る感じではない」との見方も示していた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は前日比横ばいの0.74%で始まり、いったんは0.5ベーシスポイント (bp)高い0.745%に上昇した。しばらく0.74%で推移したが、午後に 入ると0.5bp低い0.735%と、03年6月27日以来の低水準を記録。そ の後は水準を切り上げ、午後3時過ぎから再び0.745%を付けた。

超長期債利回り上昇

前日に2年ぶり水準まで低下した超長期債利回りは上昇に転じた。 20年物の137回債利回りは一時3bp高い1.545%、30年物の36回債 利回りは2bp高い1.74%にそれぞれ上昇した。

19日の米国株相場は3日続伸。予想を上回る企業決算を好感した ことに加え、新規失業保険申請件数が増加し、中古住宅販売は減少す るなど弱めの経済統計に押されて米金融当局が追加緩和に踏み切ると の観測が広がった。S&P500種株価指数は前日比0.3%高い1376.51。 一方、米債相場は下落。株高を嫌気して売りが優勢だった。米10年債 利回りは前日比1bp上昇の1.51%程度。

こうした中、日本証券業協会が20日発表した6月の公社債投資家 別売買動向によると、短期証券を除いたベースで都市銀行が3カ月ぶ りに買い越した。買越額は2兆2899億円。生保・損保も8004億円の 買い越しとなった。また、国債投資家別売買高をみると、生損保は超 長期の国債を6190億円買い越した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、超長 期債について「生損保の6月の買い越しは6200億円程度にとどまり、 3カ月連続で昨年ペースを下回った。一方、都銀、外国人などが買い 越しており、超長期債の需給をサポートした」と分析した。

足元では超長期主導で相場上昇するブル・フラット化が進んだ。 ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジストは「短 い金利がつぶれて長いゾーンにシフトしたことによるイールドカーブ の修正。国内投資家はデュレーション(残存期間)のリスクを取りに いかざるを得なくなっている」と指摘。その上で、「来週の流動性供給 や20年債入札がブル・フラット化継続を示す試金石になる」との見方 を示した。

--取材協力 船曳三郎 Editors:山中英典、

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