ユーロ圏諸国の財務相らは20 日、1000億ユーロ(約9兆6100億円)規模のスペインの銀行救済を最終 承認した。

この合意により、暫定救済基金の欧州金融安定ファシリティー( EFSF)が300億ユーロを調達する前提条件が整った。ユーロ圏17カ 国の財務相らは声明で、これは「緊急で予想外の資金ニーズが生じた場 合に使用できる」ものだと説明した。スペインの銀行は承認された事業 再編計画を提出した後、同国の銀行救済基金を通じて資金を受け取る。

財務相らはこの日の電話会議後の声明で、「金融機関の資本増強を 目的とするスペイン向けの融資提供は、ユーロ圏全体の金融安定を守る ために必要な措置だ」と説明した。

ルクセンブルクのフリーデン財務相は記者団に、「この日の電話会 議の第一の目的はスペインだ」と述べた。ギリシャについては同国を訪 問中の欧州連合(EU)欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通 貨基金(IMF)のいわゆるトロイカの作業が完了するまで、次の措置 は講じることはできないと説明した。

スペインは支援を受ける条件として、銀行セクターの立て直しと公 的部門の支出抑制を約束した。支援パッケージの詳細は覚書にまとめら れる。この日の声明によると、覚書は「数日内に署名される」。スペイ ンの銀行再建基金(FROB)に対する融資の年限は平均12.5年で、個 別の融資の中で最長の年限は15年になる。

赤字是正と構造改革求める

欧州委のレーン委員(経済・通貨担当)は別の声明で、「スペイン は持続可能な形で2014年までに過剰赤字を是正するとともに、決定され た構造改革を実施する約束を堅持しなければならない」と言明。支援の 目的は、支払い能力はあっても民間で資金調達できなくなっている銀行 に事業再編させ、将来的な公的支援の必要性をなくすことだと説明し た。

銀行救済は、スペイン政府が金融市場へのアクセスを維持するため の対策の柱。同国のラホイ首相はこの日、今後1年半の経済政策を打ち 出し始めた。スペイン10年債利回りは7%を上回り、市民は緊縮策への 抗議で街頭に繰り出している。

バークレイズ・キャピタルの南欧担当チーフエコノミスト、アント ニオ・ガルシア・パスクアル氏はこの日の顧客向け文書で、「救済プロ グラムが市場の鎮静化と国家の資金調達コスト押し下げに役立つかどう かは不透明だ」とし、「海外投資家と一部の国内金融機関は様子見姿勢 を続けている。プログラムの実践状況が鍵だと思われる」と記述した。

スペイン支援は当初、EFSFから行われる。EFSFの融資余力 は2400億ユーロ。5000億ユーロ規模の恒久基金、欧州安定化メカニズム (ESM)はドイツの裁判所が判断を下す9月までは実質稼働できな い。また、銀行への直接資本注入ができるのはECBの役割が拡大され 銀行監督一元化が実現した後になる。

ESMは稼働後に救済プログラムを引き継ぐが、移管が行われた後 も救済融資が優先債権扱いとならないことも、この日の財務相声明で確 認された。

スペイン10年債は7営業日続落し、この日の利回りは一時7.23%に 達した。ドイツ債との利回り格差も過去最大の606ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)となった。

原題:Euro Finance Chiefs Give Final Approval to Spain Bank Rescue (2)(抜粋)

--取材協力:Kati Pohjanpalo、Emma Ross-Thomas、Zoe Schneeweiss、Rainer Buergin、James G. Neuger、Jonathan Stearns.

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