7月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが主要通貨に総じて下落、弱い統計で追加刺激観測

19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対し て下落。米中古住宅販売が予想外に減少し、フィラデルフィア連銀が管 轄する地区の製造業は縮小した。投資家の間では米金融当局による追加 緩和策の観測が高まり、ドルの減価が懸念された。

オーストラリア・ドルといった高利回り通貨はリスク志向の高まり に伴い上昇した。南アフリカ・ランドは主要通貨の大半に対して下落。 予想外の利下げが影響した。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB) 議長は前日の議会証言で、必要に応じて追加行動を取る可能性をあらた めて示唆した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マーク・ マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「ドル以外の通貨が対ドルで買 われているのは、特に米経済統計の内容が景気の弱さを示唆したため、 量的緩和第3弾の見通しを一段と強めたからだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時13分現在、ドルは対円で0.2%下げて1 ドル=78円61銭。ドルはユーロに対してほぼ変わらず1ユーロ=1.2279 ドル。ユーロは対円で0.3%下落して1ユーロ=96円51銭。

中古住宅販売とフィラデルフィア連銀指数

全米不動産業者協会(NAR)が19日発表した6月の中古住宅販売 件数(季節調整済み、年換算)は、前月比5.4%減少の437万戸。

またフィラデルフィア連銀が発表した7月の同地区製造業景況指数 はマイナス12.9となった。前月はマイナス16.6。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値はマイナス8だった。同 指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して一時11週間ぶり高値に上昇 する場面もあった。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は8.63%と、2007年11月以来の低水準をつけた。過去5年間のIV は平均で12.4%だった。

南アフリカ・ランドはドルに対して最大0.7%下落する場面もあっ た。同国中銀は低インフレと経済成長へのリスクを理由に政策金利 を0.5ポイント引き下げて5%とした。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の テクニカルストラテジスト、ウィリアム・ムーア氏が17日付顧客向けリ ポートで述べたところによると、主要6通貨に対するインターコンチネ ンタル取引所(ICE)のドル指数は数カ月以内に86.20から86.40 と、2010年以来の高水準に上昇し、その後第4四半期に81.44まで下げ る可能性がある。

同氏はリポートで、86.20から86.40は「ユーロ・ドル相場で1ユー ロ=約1.1881ドルに相当する水準となるだろう」と指摘した。

ドル指数はこの日、0.2%下げて82.891だった。

原題:Dollar Drops Against Most Major Peers as Data Fuel Bets on Fed(抜粋)

◎米国株:3日続伸、S&P500種2カ月ぶり高値-予想上回る決算で

米株式相場は3日続伸。S&P500種株価指数は2カ月ぶり高値に 上げた。予想を上回る企業決算を好感したことに加え、弱含みの経済統 計に押されて米金融当局が追加緩和に踏み切るとの観測が広がった。

コンピューターサービス最大手のIBMと電子商取引サイト運営最 大手、eベイが高い。両社とも四半期利益が予想を上回った。ドラッグ ストア最大手のウォルグリーンは急伸。薬剤給付管理(PBM)事業を 運営するエクスプレス・スクリプツとの契約更新を手掛かりに買い進ま れた。モルガン・スタンレーは下落。トレーディング収入が大幅に落ち 込み、利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。

S&P500種は前日比0.3%上げて1376.51。5月3日以来の高値を 付けた。ダウ工業株30種平均は34.66ドル(0.3%)高の12943.36ドルで 引けた。ナスダック総合指数は0.8%高の2965.90。米証券取引所全体の 売買高は約70億株と、3カ月平均を4.8%上回った。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は電話インタビューで、「非常に好調な決算が出て きたが、この日は失望を誘う経済統計があまりに多かった」と指摘。 「幾分か慰めになっているのは、状況が悪化すれば金融当局が動くとい う期待だ。時機を待つしかない」と述べた。

S&P500種はこの3日間で1.7%上昇。ブルームバーグの集計によ れば、S&P500種銘柄でこれまでに四半期決算を発表した企業102社の うち約7割が、市場予想を上回る利益を計上した。S&P500種銘柄全 体では第2四半期決算は2.1%の減益が見込まれている。

統計弱含み

投資家にとっては景気指標も気がかりだ。米中古住宅販売は前月比 で予想外に減少。フィラデルフィア連銀が発表した7月の同地区製造業 景況指数は3カ月連続でマイナス圏にとどまった。他にも消費者信頼感 の弱まりや新規失業保険申請件数の増加、さらに景気先行指標の予想以 上の悪化と、弱含みの統計発表が続いた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は今週、経済成 長が低迷し失業率の継続的な低下を実現させられない場合に備え、当局 は追加緩和の選択肢を検討中であると表明。2週間後に予定されている 連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、追加措置の必要性が再び 議論される見通し。

追加緩和期待と予想を上回る決算発表を背景に、景気動向との関連 が強い銘柄で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は過去3 日間で2.7%上昇した。S&P500種の主要10業種では、テクノロジー株 が1.4%高と上昇率首位。

テクノロジー株が高い

IBMは3.8%高と1月20日以来の大幅上昇。eベイは8.6%上昇し て43.95ドルと、2006年以来の高値を付けた。ジョン・ドナフー最高経 営責任者(CEO)は広告支出を増やしたほか、当初からの事業である 競売以外にも事業の幅を広げるため、利用者がアマゾン・ドット・コム のサイトと同様に即時に買い物ができるようにするなど新しい技術への 投資を増やしている。

ウォルグリーンは12%高と、2008年以来の大幅上昇。エクスプレ ス・スクリプツも1.9%高で引けた。

一方、大手金融機関の一部では売りが膨らんだ。モルガン・スタン レーは5.3%下落。同行の第2四半期決算は利益が半減し、人員削減を 継続する方針を明らかにした。トレーディング収入がウォール街の大手 金融機関の中で最も大きく落ち込んだ。

原題:S&P 500 Rises to Two-Month High on Earnings Amid Fed Speculation(抜粋)

◎米国債:30年債が下落、経済指標低調で追加緩和の観測強まる

米国債市場では30年債が下落。失業保険申請などの経済指標を受け て景気減速の兆候が強まったことから、追加金融緩和が実施されるとの 観測が高まった。

財務省が実施した10年物TIPS入札(発行額150億ドル)では、 最高落札利回りが4回連続でマイナスとなった。バーナンキ連邦準備制 度理事会(FRB)議長は前日の議会証言で、必要に応じて追加行動を 取る用意があるとあらためて表明した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は近い将来、金融当局 が行動を起こすと予想している」とし、「次回の連邦公開市場委員会 (FOMC)では決定しないだろうが、追加刺激のシグナルは出てい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の2.61%。同年債(表面利率3%、2042年5月償還)価 格は11/32下げて107 31/32。10年債利回りは前日比1bp上昇 の1.51%。

財務省が実施した10年物TIPS入札(発行額150億ドル)では、 最高落札利回りはマイナス0.637%。最高落札利回りがマイナスとなる のは4回連続。5年物TIPSも、過去5回の入札で最高落札利回りが マイナスとなっている。

景気先行指数

全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算)は、前月比5.4%減少の437万戸。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は462万戸だ った。前月は462万戸(速報値455万戸)に上方修正された。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した6月の米景気先 行指標総合指数(LEI)は、前月比0.3%低下。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%低下だった。前月 は0.4%の上昇だった。

ブローカーディーラーBTIGの主任グローバルストラテジスト、 ダン・グリーンハウス氏(ニューヨーク在勤)は「景気先行指数はマイ ナスとなった。今は特に楽観できる局面ではない」とし、「米国が現在 リセッション(景気後退)に陥っている可能性が多少高まっている。一 部で考えられているよりも公算は若干大きい」と続けた。

量的緩和

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から3万4000件増加して38万6000件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は36万5000件だった。労働省の 報道官は統計発表時に、申請件数に変動が見られるのは、毎年発生する 自動車工場での解雇の実施時期が、今年は変わったためだと説明した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「この先金融当局 は、何らかの形で量的緩和を実施するだろう」とした上で、バーナンキ 議長は「実施時期や詳細には触れなかった。そうしたことから、市場で は多少軟調さも見られる」と続けた。

原題:Treasury 30-Year Bonds Fall as Fed Stimulus Speculation Rises(抜粋)

◎NY金:4日ぶり反発、米失業保険統計が手掛かり-緩和期待

ニューヨーク金先物相場は反発。今週に入って初めてプラスで引け た。先週の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで、金融 当局に対する緩和圧力が強まるとの見方から、買いが優勢になった。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から3万4000件増加して38万6000件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は36万5000件だった。米連邦準 備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日の議会証言で、追加緩 和の選択肢を当局が検討していると述べた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「なんら かの緩和策に対する期待が高まっており、きょうの指標の数字はこの見 方を後押ししている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.6%高の1オンス=1580.40ドルで終了した。

原題:Gold Rebounds as Jobless Claims Boost Pressure for Fed Stimulus(抜粋)

◎NY原油:続伸、92ドル台-中東情勢緊迫で2カ月ぶり高値

ニューヨーク原油先物相場は7営業日続伸し、2カ月ぶりの高値と なった。中東の情勢不安で供給に支障が出るとの懸念が高まった。中東 は世界の原油生産の約3分の1を占める。

ブルガリアで18日にイスラエル人観光客を乗せたバスが爆発した事 件で、イスラエルのネタニヤフ首相はレバノンのイスラム教シーア派組 織ヒズボラの犯行だと主張し、強硬措置も辞さない意向を示した。シリ アでは政府高官3人が殺害された爆破事件の報復として、政府軍が反体 制勢力を攻撃した。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長は、「中東情勢に対する懸念が強まっており、そ れが原油を押し上げる要因になっている」と指摘。「イランに再び注目 が集まっているほか、シリアの状況も悪化している。地政学的リスクが 高まり、生産に支障が出るとの不安につながっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比2.79ドル(3.10%)高の1バレル=92.66ドルで終了。7日連続高は 2月24日以降で最長。7日間の上昇率は10%。

原題:Oil Rises to Two-Month High on Escalating Middle East Tension(抜粋)

◎欧州株:続伸、ストックス600は4月以来の高値-ノキアが12%高

19日の欧州株式相場は続伸し、ストックス欧州600指数は4月3日 以来の高値に達した。市場予想を上回る企業業績が好感された。

オランダの塗料メーカー、アクゾノーベルは6.3%高。同社がこの 日発表した4-6月(第2四半期)利益は市場予想を上回った。四半期 増収を明らかにしたコニャックメーカーの仏レミー・コアントロー は6.2%の値上がり。フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは12% の大幅上昇。同社スマートフォン(多機能携帯端末)の主力である「ル ミア」の販売台数が一部のアナリスト予想を超えた。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%高の261.86で終了。このまま いけば週ベースで7週連続高となり、ここ6年余りで最長の上げとな る。欧州中央銀行(ECB)や中国中銀による利下げのほか、ユーロ圏 首脳らがスペインの銀行向け緊急融資の返済ルールを緩和したことなど が背景。

アッティカ・ウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、 セオドア・クリンタス氏は「企業業績がまだ力強いという事実に市場は 注目している」と述べ、「ある種の債券忌避が見られる。過剰な流動性 が株式に流れ込んでおり、それで欧州相場が上昇している」と続けた。

この日の西欧市場では、ポルトガルとアイスランドを除く16カ国で 主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Advance as Earnings Beat Analysts’ Estimates(抜粋)

◎欧州債:スペイン10年債利回り、1週間ぶりに危険水域の7%突破

19日の欧州債市場でスペイン国債が下落し、10年債利回りは1 週間ぶりに7%台に乗せた。この日の国債入札で借り入れコストが上 昇したことが手掛かり。

ドイツ2年債利回りは10営業日連続でマイナスとなった。同国 議会はスペインの銀行支援をめぐる採決を行う。ドイツ国債より利回 りが高く、比較的安全な資産を求める動きが強まり、オーストリアと ベルギー、フランスの国債利回りは過去最低を付けた。

一方、スペイン2年債は4営業日続落。この日行われた29億8000 万ユーロ相当の国債入札では、応札倍率が前回入札を下回った。ショ イブレ独財務相は、スペイン政府が同国の銀行向け救済資金を保証す る必要があると語った。スペイン10年債利回りは7%を突破。これ はギリシャとポルトガル、アイルランドが国際支援の要請を余儀なく された危険水域とされている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの債券ストラテ ジト、ジョン・レイス氏(ロンドン在勤)は、「こうした金利水準で小 規模の資金を借り入れる度に負担はどんどん重くなる」と述べ、「スペ インのコントロールが失われつつある兆候だ。入札後に中核国の国債 がやや上げ、これら国債に対するスペイン債の上乗せ金利が拡大した」 と語った。

ロンドン時間午後4時36分現在、スペイン2年債利回りは前日 比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.17%。 前週末比では71bp上げている。同国債(表面利率3.4%、2014年 4月償還)価格は0.24下げ97.075。

10年債利回りは5bp上昇し7.01%。10日以来の高水準となる

7.04%に達する場面もあった。同年限のドイツ国債に対する利回り上 乗せ幅(スプレッド)は583bpと、先月18日に付けた過去最高の 589bpに接近した。

ドイツ2年債利回りは前日比1bp上昇のマイナス0.053%。前 日はマイナス0.074%まで下げ、1990年にブルームバーグがデータ 集計を開始して以来の最低を記録した。

原題:Spanish Bonds Fall as Yields Surge at Auction; French Notes Gain(抜粋)

◎英国債:下落、10年債利回りは大幅上昇-40年債入札と株高で

19日の英国債市場では中・長期債が下落し、10年債利回りは今 月に入ってから最大の上げとなった。英政府は17億5000万ポンド 相当の40年債の入札を行った。

10年債利回りは過去最低まで4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)未満の水準から上昇。株高で比較的安全とされる英国債の 需要が後退した。この日発表された経済統計で6月の小売売上高がエ コノミスト予想を下回る伸びだったことを背景に、2年債利回りは過 去最低を記録した。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オ ズワルド氏(ロンドン在勤)は「現在の利回りでは、英国債を積極的 に買いに行く雰囲気ではない」とし、「短期債は単なる安全な投資先と なっている」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5bp上昇 の1.52%。一時は7bp上げ、先月29日以降で最大の上昇となった。 同国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.5下 げ121.10。過去最低は1日に記録した1.439%。

英公債管理局(DMO)は2052年7月償還債を入札。平均落札 利回りは3.055%、応札倍率は1.67倍となった。既発40年債の利 回りは6bp上げ3.08%となった。

原題:U.K. 10-Year Gilts Fall After Auction; Pound Gains Versus Euro(抜粋)

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