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米国債:下落、経済指標低調で追加緩和の観測強まる

米国債市場では30年債が下落。失業 保険申請などの経済指標を受けて景気減速の兆候が強まったことから、 追加金融緩和が実施されるとの観測が高まった。

財務省が実施した10年物TIPS入札(発行額150億ドル)では、 最高落札利回りが4回連続でマイナスとなった。バーナンキ連邦準備制 度理事会(FRB)議長は前日の議会証言で、必要に応じて追加行動を 取る用意があるとあらためて表明した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は近い将来、金融当局 が行動を起こすと予想している」とし、「次回の連邦公開市場委員会 (FOMC)では決定しないだろうが、追加刺激のシグナルは出てい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の2.61%。同年債(表面利率3%、2042年5月償還)価 格は11/32下げて107 31/32。10年債利回りは前日比1bp上昇 の1.51%。

財務省が実施した10年物TIPS入札(発行額150億ドル)では、 最高落札利回りはマイナス0.637%。最高落札利回りがマイナスとなる のは4回連続。5年物TIPSも、過去5回の入札で最高落札利回りが マイナスとなっている。

景気先行指数

全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算)は、前月比5.4%減少の437万戸。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は462万戸だ った。前月は462万戸(速報値455万戸)に上方修正された。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した6月の米景気先 行指標総合指数(LEI)は、前月比0.3%低下。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%低下だった。前月 は0.4%の上昇だった。

ブローカーディーラーBTIGの主任グローバルストラテジスト、 ダン・グリーンハウス氏(ニューヨーク在勤)は「景気先行指数はマイ ナスとなった。今は特に楽観できる局面ではない」とし、「米国が現在 リセッション(景気後退)に陥っている可能性が多少高まっている。一 部で考えられているよりも公算は若干大きい」と続けた。

量的緩和

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から3万4000件増加して38万6000件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は36万5000件だった。労働省の 報道官は統計発表時に、申請件数に変動が見られるのは、毎年発生する 自動車工場での解雇の実施時期が、今年は変わったためだと説明した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「この先金融当局 は、何らかの形で量的緩和を実施するだろう」とした上で、バーナンキ 議長は「実施時期や詳細には触れなかった。そうしたことから、市場で は多少軟調さも見られる」と続けた。

原題:Treasury 30-Year Bonds Fall as Fed Stimulus Speculation Rises(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、Kenneth Pringle.

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