ユーロ圏:徹夜の会議が危機解決の妨げか、一晩寝れば名案も

ユーロ圏17カ国のリーダーたちが本 当に債務危機を解決したいなら、一晩眠って考えた方がいい。

ところがそうはいかない。欧州での最近6回の首脳会議(サミッ ト)のうち3回は少なくとも翌日の午前4時まで続いた。前回は6月29 日の午前5時に終了。財務相会合も恒常的に真夜中を過ぎるまで終わら ない。

こういう夜を徹した会議は欧州に良い結果をもたらしていない。ス ペインの銀行救済を話し合う次回7月20日の会議が正午開始の予定にな ったのはこれが1つの理由かもしれない。睡眠不足が判断の誤りを生み 最悪の事態につながり得ることは、スリーマイル島とチェルノブイリの 原子力発電所事故、エクソンバルディーズ号原油流出事故、そしてスペ ースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故などの前例が示している。

英国睡眠協会の共同創設者、クリス・イズィコースキ氏はインタビ ューで、「人間は深夜まで十分働けるようにはできていない」として、 夜中は「交渉に最悪の時間帯の1つに違いない」と述べた。

最近の研究によると、眠らないでいるのは合法的に酔っぱらうのと 同じ効果がある。体に合った就寝時間を過ぎて起きていると他者からの 影響を受けやすくなるほかリスクを取る確率が高まる。脳の機能が損な われ、判断の誤りにつながる可能性がある。

レム睡眠

従って、欧州の政治指導者らは午後10時-午前0時の「正常」な時 間に就寝し、「睡眠に任せた方がいいだろう」とイズィコースキ氏は述 べた。「脳は眠っている間に解決方法を考える」という。特に、急速眼 球運動(REM)のあるレム睡眠中にこれが起こるという。体は眠って いるが脳は覚醒しているレム睡眠は、学習や記憶、夢に関連があるとさ れている。

第2次ギリシャ救済をめぐり、欧州の財務相らは合意に至るため13 時間半をかけて協議。会合後の記者会見は2月21日の午前6時ごろまで 終わらなかった。

その会見でEU欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は「こ の2年、そして今夜もまた、『マラソン』とは本当にギリシャの言葉だ ったと思い知らされた」と語った。その1カ月前の真夜中の会見では 「記者会見をこの時間にしているということは、われわれが正常な時間 帯に戻ったことを示唆している気がする」と述べていた。

2010年に発表された睡眠についての研究を率いたエードリエンヌ・ タッカー氏によれば、睡眠不足による疲労の度合いや影響の受け方は人 によって異なる。「柔軟で創造的な考えができるようになる人もいれば かたくなになって不公平と感じる提案を断固拒否するようになる人もい る」という。

ドイツのメルケル首相やフランスのサルコジ大統領(当時)は昨 年10月26日夕方からの会議で、これをうまく利用。国際金融協会 (IIF)のダラーラ専務理事を代表としたバンカーらを深夜に呼びつ け、ギリシャ債務の50%減免に応じるかギリシャ破産という最悪のシナ リオを受け入れるかの選択を迫った。バンカーらはほぼ2時間後に自発 的な債務再編に応じると回答した。

原題:Euro Sleepless Summits Prone to Mistaken Decisions: Health (1)(抜粋)

--取材協力:James G. Neuger、Rebecca Christie、Helene Fouquet、Tony Czuczka、Anita Kumar、Stephanie Bodoni.

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