【M&A潮流】大飯原発再稼働で豪ウラン企業への関心高まる

昨年の東日本大震災後に国内全ての 原子力発電所を停止した日本が原発再稼働に踏み切ったことから、オー ストラリアのウラン生産会社パラディン・エナジーが、買収対象を探る カナダや中国の企業から関心を集めている。パラディンの株価は純資産 価値を下回っている。

2011年3月11日の大震災・大津波に伴う東京電力の福島第一原発で の事故後、パラディン株は時価総額のほぼ8割を失った。現在の株価は 純資産価値を22%下回る水準だ。ウラン価格は福島原発のメルトダウン (炉心溶融)以後26%下落する一方、ブルームバーグがまとめたアナリ スト調査によれば、パラディンはウラン生産開始後初の年間黒字を計上 すると予想されている。

リソース・キャピタル・リサーチによると、日本政府が関西電力の 大飯原発の再稼働を決めたことはウラン底値の可能性を示唆しており、 カナダのキャメコがパラディンに関心を寄せる公算が大きい。オクタ・ フィリップ・セキュリティーズは、ウランの確保を目指す複数の中国企 業がパラディンの買収を試みる可能性があるとしている。中国は新規の 原子炉26基を建設する。アフリカで鉱山を運営し、豪州とカナダでウラ ン探査を行っているパラディンの時価総額は9億1700万ドル(約720億 円)相当。

オクタ・フィリップのメルボルン在勤アナリスト、アンドルー・シ ェーラー氏は電話インタビューで、「パラディンは標的だ。ウラン相場 が底かもしれない今なら好機を捉えた買収となる可能性がある」と述べ た。

パースに本社を置くパラディンのジョン・ボーショフ最高経営責任 者(CEO)にコメントを得るため電子メール2通を送付したが、返答 はない。ブルームバーグのデータによれば、同CEOは約2200万 株、2.6%相当のパラディン株を保有している。

原題:Nuclear Resurgence Seen Luring Paladin Takeover Offers: Real M&A(抜粋)

--取材協力:Aibing Guo、Tara Lachapelle.