ドルが対円で6週間ぶり安値、米長期金利低下で売り圧力

東京外国為替市場ではドルが対円で 約6週間ぶり安値に下落。米長期金利の低下や堅調な株価を背景にドル 売り圧力がかかりやすく、ドル・円はじりじりと値を切り下げる展開と なった。

ドル・円は1ドル=78円後半から一時、6月5日以来の水準とな る78円47銭までドル売り・円買いが進行。その後はもみ合いとなり、午 後3時45分現在は78円59銭前後で推移している。

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部の棚瀬順哉チーフFX ストラテジストは、「株価が堅調な中でドルが弱含み、それがドル・円 を押し下げるという流れにきのうのニューヨーク時間からなっている」 と説明。その上で、「リスクオン(選好)」のようにも見えるが、欧州 周辺国の国債利回りの上昇をみると「リスクオフ(回避)」でもあり、 「きのうは豪ドルと円がアウトパフォームするなど、入り組んだ展開に なっている」と指摘した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=96円後半から一時96円43銭までユーロ 売り・円買いが進み、同時刻現在は96円54銭前後。一方、ユーロ・ドル 相場は1ユーロ=1.2297ドルまでドルが弱含む場面が見られた。

米株高も米長期金利低下

18日の米国債相場は上昇し、10年債利回りは過去最低水準まで5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満で推移した。

一方、予想を上回る企業決算や米住宅着工件数の増加などを好感し て、米株式相場は続伸。原油など商品相場も上昇する中、外国為替市場 では資源国通貨などを買う動きが活発となり、19日の取引でもオースト ラリア・ドルが対米ドルで約11週間ぶりの高値を更新した。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、米指 標は良かったが、「それでも米長期金利が上がらなかったので、上値の 重さが意識されている」と指摘。「バーナンキ議長が米国の財政が悪い と言ったのに、米長期金利が下がるという不可解な状況になっている。 理屈で動いているというよりはフローのようなもので動いている感じも する」と話していた。

19日のアジア株も上昇。日経平均株価は一時109円高となる場面が あった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日に行われ た2日目の議会証言で米国の財政状況は「持続不可能」だとあらためて 表明した。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加措置を講じ ることは「確かにあり得る」とし、景気の減速が一時的なものかどうか をFOMCが見極めており、雇用改善で進展がなければ追加措置を講じ る意向だと述べた。

FXプライムの上田眞理人専務取締役は、「なかなか米国金利がピ ックアップしないので、ドルが買えない」と指摘。欧州債務問題も何も 解決していない状況の中、「円が消去法的に買われている」と話した。

スペイン

独連邦議会(下院)はこの日、スペインの銀行支援について採決を 行う。ショイブレ独財務相は18日遅く、スペインは今回の支援に対して 責任を負うことになるとの政府の立場に変わりがないことを、あらため て議員らに伝えた。

スペイン政府は19日に最大30億ユーロ(約2900億円)の国債を入札 する。ラホイ首相は18日に議会で、緊縮策は投資家に応札を説得する上 で必要な措置だと強調したが、同国の2大労組は歳出削減策に抗議、19 日に全国的な街頭デモを呼び掛けている。

--取材協力:Masaki Kondo、大塚美佳. Editors: 持田譲二, 山中英典

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