米国債:上昇、FRB議長が財政状況「持続不可能」と指摘

米国債相場は上昇。バーナンキ米連 邦準備制度理事会(FRB)議長は2日目の議会証言で、米国の財政状 況は「持続不可能」だとあらためて表明した。市場では安全とみられる 資産を求める動きが続いた。

10年債利回りは過去最低水準まで5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)未満で推移。バーナンキ議長は今年前半に経済活動の「ペ ースが減速した」と指摘し、「適切に追加行動をとる用意がある」と表 明。米連邦準備制度理事会(FRB)が午後に発表した地区連銀経済報 告(ベージュブック)によると、経済活動は6月から7月初めにかけ て、緩やかなペースで拡大した。財務省はあす19日に10年物のインフレ 連動債(発行額150億ドル)の入札を実施する。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は議長証言について、「多く人々が 思っていたよりも少しネガティブに景気を見ているようだ」と指摘。 「市場には心地良いと言えよう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1bp下げて1.49%。同年債(表 面利率1.75%、償還期限2022年5月)価格は1/8上昇して102 10/32。利 回りが過去最低を記録したのは6月1日、1.4387%だった。

30年債利回りは1bp下げて2.6%。過去最低は6月1日に記録し た2.51%。

欧州債市場ではこの日、ドイツ5年債の利回りが一時4bp低下 し、過去最低の0.254%を付けた。また同年限の英国債の利回りも過去 最低の0.472%を付けた。

財政の崖

バーナンキ議長は下院金融サービス委員会での証言後、質疑応答 で、いわゆる「財政の崖」を容認すれば、景気回復を損なうことになる と発言した。米連邦準備制度理事会(FRB)は今月31日-8月1日に 連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。

ベージュブックによれば、小売販売および製造業活動が一部地区で 鈍化する中、6月から7月初めにかけて景気の拡大ペースは限られたも のとなった。今回のベージュブックは、今年前半に成長が勢いを失った とするバーナンキ議長の認識を裏付けるものだ。

米ニューヨーク連銀は、2020年8月から22年5月に償還を迎える米 国債47億1400万ドル相当を買い入れた。

市場の懸念

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査責 任者、ジム・ボーゲル氏は「市場の懸念が次第に強まっているのが感じ 取れる」と述べた。

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、米国債 の売買高は1710億ドルと、前日の2130億ドルから減少。年初以降の平均 は2420億ドル。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は61.9bpと、5月11 日以来の低水準。5月7日には56.7bpと5年ぶり低水準を付けた。年 初来の平均は76bpで、年初来の最高は6月15日の95.4bp。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「米国債市場は、金融 当局の追加行動が市場にどのような意味があるのかを消化している最中 だ」とし、「われわれは、国内・海外の両方でなおも経済面での大きな 向かい風が存在するという認識を持っている」と続けた。

原題:Treasuries Rise as Bernanke Says Fiscal Situation Unsustainable (抜粋)

--取材協力:Lindsey Rupp.

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