クレディS:年内に153億フラン資本増強へ、中銀指導に対応

スイス2位の銀行クレディ・スイ ス・グループは18日、年内に資本を計153億スイス・フラン(約1 兆2300億円)増強する計画を明らかにした。スイス国立銀行(SNB、 中央銀行)が先月、同行に「大幅な資本増強」を求めたことに対応し た。発表を受けて株価は一時、半年で最大の上昇となった。

同行はさらに、2013年末までに追加で10億フランの経費を削減する 方針も示した。同行が18日、電子メールで発表した。それによるとま た、4-6月(第2四半期)の純利益は7億8800万フランと前年同期比 で2.6%増えた。

ブレイディ・ドゥーガン最高経営責任者(CEO)によると、38億 フラン相当の強制的に株式に転換する証券の発行などにより、自己資本 比率は3月末時点のほぼ2倍になる。スイス中銀はこの比率について大 幅な増強が必要と指摘していた。クレディ・スイスは昨年、3500人の削 減と20億フランの経費節減計画を発表していたが、経費をさらに減ら す。

チューリヒ州立銀行のアナリスト、アンドレアス・ベンディッティ 氏はリポートで「この日の発表によって、クレディ・スイスの資本状況 に関する懸念は影をひそめるだろう。これはポジティブだと思われる」 としている。

クレディ・スイス株は一時6.8%高となった。チューリヒ時間午 前11時22分現在は6%高の18.16フラン。中銀が資本不足を指摘した6 月14日以降、10%余り下落していた。

発表によると、直ちに実施する措置によって資本を87億フラン増強 する。転換証券は来年3月に、1株当たり16.29フランで2億3400万株 に転換される。発行高の半分相当はカタールの政府系ファンド、カター ル・ホールディングやオラヤン・グループ、ノルゲスバンク(ノルウェ ー中銀)・インベストメント・マネジメント、シンガポールの政府系投 資会社テマセク・ホールディングスなどの戦略的投資家が引き受け、残 りはクレディ・スイスの株主に割り当てる。

来年10月に発行予定だった偶発転換証券(自己資本が一定水準を下 回ると株式に転換される証券、CoCo)17億フラン相当の発行を、今 月末に前倒しすることでオラヤン・グループと合意した。また、41億フ ラン相当をカタール投資庁(QIA)向けに来年発行する。

さらに、資産運用事業の一部や不動産の売却などにより今年中にさ らに66億フラン、資本を強化する。従業員による株購入も促す。

ドゥーガンCEOは報道関係者との電話会議で、「今日発表した措 置により、スイス中銀の報告が提起した資本に関するいかなる疑問も完 全に払拭(ふっしょく)されるだろう」と述べた。中銀も、クレディ・ スイスの計画は同行の損失吸収のための資本を迅速かつ大幅に増強し、 同行の弾力性を高めると評価した。

ドゥーガンCEOは追加の経費節減策が人員削減につながるかどう かについては明言を避け、株主への配当支払いは継続する方針だと表 明。2012年については全て株式による配当を計画していると付け加え た。

原題:Credit Suisse Plans $15.6 Billion Capital Boost, Cost Cuts (2)(抜粋)

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