通貨危機から15年、東南アジアは今や投資の避難先

1997年の通貨危機に見舞われた東南 アジアだが、今から3年前に世界の市場が回復し始めてからはリスク調 整後でアジア最良のリターンを生み出している。欧州の債務危機を嫌気 した投資家が避難先を求めていることが背景だ。

ブルームバーグ・リスクレス・リターン・ランキングによれば、フ ィリピンとマレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールの指標とな る株価指数は17日までの3年間で、総額1000億ドル(約7兆9000億円) を超える規模のアジア太平洋市場で、最も大きなリターンとなってい る。5カ国全てがリスク調整後のリターンで先進国市場の指数を上回っ ている。

ゴールドマン・サックス・グループの香港在勤ストラテジスト、テ ィモシー・モー氏はブルームバーグテレビジョンとの香港での6月26日 のインタビューで、東南アジア諸国連合(ASEAN)に触れながら、 「投資家は比較的小規模なASEAN市場に注目し、そこで恩恵を得て いる」と指摘。「北アジアの他のもっと循環的な市場と比べ、より良好 な成長の原動力となっている。恐らく今後も続くだろう」と述べた。

東南アジア各国の政府は輸出への依存度を減らすため、インフラ投 資を重視し、国内消費を促す取り組みを加速させている。こうしたこと が、北アジアの市場でボラティリティ(変動性)拡大を引き起こしてい る欧州債務危機と世界的な景気減速の影響を、東南アジア諸国が回避す る上で寄与している。

ASEANのウェブサイトによれば、加盟国の輸出全体のうち米 国・欧州連合(EU)向けは2010年に32.9%と、00年の72.4%からその 割合が大きく低下。中国税関当局のデータを基にブルームバーグが算出 したところによれば、中国の対米・EU輸出は10年の輸出全体の38%と なっている。

原題:Southeast Asia Is Haven 15 Years After Crisis: Riskless Return(抜粋)

--取材協力:Berni Moestafa、Weiyi Lim、Jonathan Burgos、Shamim Adam、Anuchit Nguyen、アンディ・シャープ、Eunkyung Seo、Christian Baumgaertel.