米国債:利回りが上昇、FRB議長が刺激策の選択肢を説明

米国債市場では利回りが過去最低付 近から上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会 証言を受け、金融当局が追加刺激策を実施するとの観測があらためて広 がった。

バーナンキ議長は冒頭の証言段階では、追加行動を取る用意がある とした一方で具体策には触れなかったことから、利回りの方向性が定ま らない状態が続いた。ただその後の質疑応答で、議長は追加的な緩和手 段について発言。住宅ローン担保証券(MBS)を含む追加の資産購入 や超過準備の付利引き下げ、今後の政策をめぐるコミュニケーション方 法の変更を挙げた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、サブラト・プラカシュ氏(ニ ューヨーク在勤)は「バーナンキ議長の議会証言は、金融当局には用意 ができているという見方を強めるものだ。市場には幾分か安心感となっ ている」と指摘。「過去数回の金融緩和時には、投資家が株式に流れ込 んだことから国債利回りは上昇した。今回もそうなる可能性がある」と 続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.60%。過去最低は6月1日 に付けた2.5089%。10年債利回りはこの日4bp上げて1.51%。過去最 低は同じく6月1日に付けた1.4387%。

押し目買い

連邦公開市場委員会(FOMC)は、失業率を低下させるため景気 に追加刺激策が必要かどうかを検討している。6月の会合では、保有債 券の平均残存期間の長期化を図るオペレーションツイスト(ツイストオ ペ)を年末まで延長することを決めた。

労働省が発表した6月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済 み)は前月比で横ばいとなった。金融当局の予測通り、インフレの抑制 が続く可能性が示唆された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト調査の中央値でも横ばいが予想されていた。前月は0.3%低下 だった。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界的に景気が 減速し、欧州では困難な状態が続くという中にあって、逃避需要と当局 の買い入れという組み合わせにより、米国債に買いが入り続けている」 と指摘。「状況が何か変わるまでは、押し目を狙って買うべきだ」と述 べた。

TIPS

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレ ークイーブンレート)は、2.08ポイント。過去10年間の平均は2.15ポイ ント。

現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イー ブン・インフレ率(フォワードBEI)は12日に2.4%。今年に入って からの最高は3月に付けた2.78%。

JPモルガン・チェースの週間調査によれば、投資家は米国債の上 昇を見込んだポジションを増やし、5月以降で最も強気となっている。

同調査によれば、前日までの1週間に「ネットロング(買い越 し)」は6%に増加。「ロング(買い持ち)」は19%と、前週の17%か ら増え、5月21日以来の高水準となった。一方で中立は68%(前 週70%)に減少。「ショート(売り持ち)」は13%で変わらずだった。

原題:Treasury Bonds Fall After Bernanke Keeps Stimulus Option Open(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton、Kenneth Pringle.

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