7月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、FRB議長は追加緩和に含み持たす-円下落

17日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨のすべてに対 して下落した。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証 言を受けて、投資家は追加緩和の可能性が残されているとの観測に傾い た。

ドルは朝方上昇する場面もあった。バーナンキ議長が議会公聴会の 冒頭に読み上げた証言テキストには量的緩和第3弾に関する具体的な記 述がなかった。

BKアセットマネジメントのディレクター、キャシー・リーン氏 (ニューヨーク在勤)は、「バーナンキ議長が具体的な追加策に触れな かったことから、投資家は事前の緩和策見通しを調整。ドルが当初主要 通貨すべてに対して上昇していた」と指摘、「証言が進むにつれ、バー ナンキ議長は時間稼ぎが目的であり、悲観的な見方を変えず、明らかな 方針も示さなかったということに投資家は気付いた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.2%下げて1 ユーロ=1.2294ドル。一時は0.7%高まで上昇する場面もあった。ドル は対円で0.2%上げて79円06銭。円はユーロに対して0.4%安の1ユーロ =97円21銭だった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去1週間で0.6%下げた。ユーロは0.1%下落。

バーナンキ議長の証言

バーナンキ議長は、雇用の改善に向けた動きは「いら立たしいほど 遅い」ものになる可能性が高いとし、金融当局には景気浮揚に向け行動 する用意があるとあらためて表明した。同議長は17日、上院銀行委員会 で証言した

同議長は質疑応答に入ると、追加的な緩和手段について、住宅ロー ン担保証券(MBS)を含む追加の資産購入や超過準備の付利引き下 げ、今後の政策をめぐるコミュニケーション方法の変更を挙げた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マーク・ マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「緩和策の可能性はまだ机上に ある」と述べた。

円は4日ぶりにドルに対して下げた。安住淳財務相は省内で記者団 に対し、「日本経済に悪影響を及ぼす過度な変動に対しては、必要な時 には必ず断固たる措置を取る」と述べ、為替介入も辞さない構えを示し た。

円は過去3週間対ドルで上昇。6月22日から7月13日までに1.6% 上昇した。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は8.9%に低下。これは4月27日以来の低水準だった。過去1年間 のIVは平均で11.5%だった。

豪ドルは続伸

オーストラリア・ドルは対米ドルで3日続伸。オーストラリア準備 銀行(中央銀行)が公表した今月3日の金融政策決定会合の議事録が手 掛かりだった。

議事録によれば、メンバーは会合で「消費は労働市場の良好さによ って支えられている」との認識を示した。さらに「国内経済は従来示唆 されていたよりも若干勢いを増した兆候が示されている。メンバーはそ のため、今回の会合でオフィシャル・キャッシュレートを一段と調整す る必要はないと考えた」としている。

豪ドルは対米ドルで0.7%高、対円で0.9%上げた。

原題:Dollar Weakens as Investors Bet on Steps by Fed; Aussie Advances(抜粋)

◎米国株:反発、FRB議長が景気浮揚措置の用意があると表明

米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ 議長は17日、上院銀行委員会で証言し、雇用市場が改善しない場合には 景気浮揚へ向けた措置を取る用意があると発言。これを好感して相場は 朝方の下げを埋めた。

S&P500種株価指数は主要10業種全てが上昇。世界最大の娯楽企 業、ウォルト・ディズニーは大幅上昇して上場来最高値。バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)のアナリストが同社株の投資判断を「買い」に 引き上げたことが手掛かり。コカ・コーラも高い。同社の四半期決算は 利益が市場予想を上回った。玩具メーカー最大手のマテルも急伸。第2 四半期の利益がアナリスト予想を上回ったことを手掛かりに買い進まれ た。

S&P500種は前日比0.7%上げて1363.67。一時、最大0.6%安まで 下げる場面も見られた。ダウ工業株30種平均は78.33ドル(0.6%)高 の12805.54ドル。

BMOハリス・プライベート・バンク(シカゴ)のジャック・アブ リン最高投資責任者(CIO)は、「株式市場はFRBを信じている。 あらゆる材料と減速の兆候を受けても投資家は、FRBが景気浮揚へ向 けできる限りのことをするであろうとの期待をまだ捨てていない」と述 べた。

景気先行き不安

この日の寄り付き後の1時間は売りが先行した。バーナンキ議長の 証言原稿では当局の計画について詳細な説明に踏み込まず、より積極的 な姿勢が見られることを期待していた投資家の間で失望売りが広がっ た。ただ、質疑応答での同議長の発言を受け、行動の用意があるとの見 方が広がり、相場は上げに転じた。

S&P500種は前日までの8営業日中、7営業日で下落。4月に付 けた年初来高値からは3.9%下げている。予想を下回る景気指標の発表 や、四半期ベースで2009年以来で初の減益決算が予想されていることを 受け、投資家は警戒心を高めている。

前日発表された6月の小売売上高は前月比で減少したほか、この日 発表された消費者物価指数は前月から横ばいと、インフレ鈍化の兆しが 見えている。

シティグループの米経済サプライズ指数はマイナス62.30と、前週 付けたほぼ11か月ぶり低水準のマイナス64.9に近い水準で推移してい る。同指数は今年1月にプラス91.9とピークに達した。

決算シーズン

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニアストラテジス ト、アラン・ゲイル氏は電話インタビューで、「決算シーズン後に、売 上高の伸び悩みを理由に企業の人員削減が相次ぐ事態となれば、雇用市 場がリスクにさらされる。そうなればFRBは非常に迅速に行動を起こ すだろう」と述べた。

ブルームバーグの集計によれば、S&P500種構成銘柄でこれまで に四半期決算を発表した企業49社のうち、35社で利益が市場予想を上回 った。発表済み企業の収益は前年同期比3%減。S&P500種銘柄の企 業全体では2.1%の減益が見込まれている。

ディズニーは3.1%高の49.35ドルと上場来最高値。同社を含めた S&P500種の消費者サービス株指数も0.9%上昇した。BOAは同社株 の投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。映画「アベ ンジャーズ」が2012年の業績を押し上げることや、アニメ映画をテーマ にした新施設「カーズランド」がオープンし、来年の利益に貢献する見 通しであることを理由に挙げた。

コカ・コーラは1.6%高。同社が発表した第2四半期決算は、利益 がアナリスト予想を上回った。北米で昨年下期に実施した値上げが奏功 した。マテルは9.7%高と、S&P500種構成銘柄で最も上昇率が大き い。同社の第2四半期決算は、値上げの効果で利益が拡大。売上高もア ナリスト予想を上回った。

原題:U.S. Stocks Gain as Bernanke Says Fed Prepared to Boost Growth(抜粋)

◎米国債:利回りが上昇、FRB議長が刺激策の選択肢について発言

米国債市場では利回りが過去最低付近から上昇。米連邦準備制度理 事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言を受け、金融当局が追加刺 激策を実施するとの観測があらためて広がった。

バーナンキ議長は冒頭の証言段階では、追加行動を取る用意がある とした一方で具体策には触れなかったことから、利回りの方向性が定ま らない状態が続いた。ただその後の質疑応答で、議長は追加的な緩和手 段について発言。住宅ローン担保証券(MBS)を含む追加の資産購入 や超過準備の付利引き下げ、今後の政策をめぐるコミュニケーション方 法の変更を挙げた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、サブラト・プラカシュ氏(ニ ューヨーク在勤)は「バーナンキ議長の議会証言は、金融当局には用意 ができているという見方を強めるものだ。市場には幾分か安心感となっ ている」と指摘。「過去数回の金融緩和時には、投資家が株式に流れ込 んだことから国債利回りは上昇した。今回もそうなる可能性がある」と 続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.60%。過去最低は6月1日 に付けた2.5089%。10年債利回りはこの日4bp上げて1.51%。過去最 低は同じく6月1日に付けた1.4387%。

押し目買い

連邦公開市場委員会(FOMC)は、失業率を低下させるため景気 に追加刺激策が必要かどうかを検討している。6月の会合では、保有債 券の平均残存期間の長期化を図るオペレーションツイスト(ツイストオ ペ)を年末まで延長することを決めた。

労働省が発表した6月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済 み)は前月比で横ばいとなった。金融当局の予測通り、インフレの抑制 が続く可能性が示唆された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト調査の中央値でも横ばいが予想されていた。前月は0.3%低下 だった。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界的に景気が 減速し、欧州では困難な状態が続くという中にあって、逃避需要と当局 の買い入れという組み合わせにより、米国債に買いが入り続けている」 と指摘。「状況が何か変わるまでは、押し目を狙って買うべきだ」と述 べた。

TIPS

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレ ークイーブンレート)は、2.08ポイント。過去10年間の平均は2.15ポイ ント。

現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イー ブン・インフレ率(フォワードBEI)は12日に2.4%。今年に入って からの最高は3月に付けた2.78%。

JPモルガン・チェースの週間調査によれば、投資家は米国債の上 昇を見込んだポジションを増やし、5月以降で最も強気となっている。

同調査によれば、前日までの1週間に「ネットロング(買い越 し)」は6%に増加。「ロング(買い持ち)」は19%と、前週の17%か ら増え、5月21日以来の高水準となった。一方で中立は68%(前 週70%)に減少。「ショート(売り持ち)」は13%で変わらずだった。

原題:Treasury Bonds Fall After Bernanke Keeps Stimulus Option Open(抜粋)

◎NY金:続落、踏み込み不足のFRB議長証言に失望

ニューヨーク金先物相場は続落。米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長は当局には景気浮揚に向け行動する用意があるとあら ためて表明した一方、具体的な措置を説明するには至らなかった。

バーナンキ議長は議会公聴会での質疑応答で、追加的な緩和手段に ついて、住宅ローン担保証券(MBS)を含む追加の資産購入や超過準 備の付利引き下げ、今後の政策をめぐるコミュニケーション方法の変更 を挙げた。金は2008年12月末から11年6月にかけて70%急伸した。当局 が政策金利を過去最低に維持し、2度にわたる量的緩和プログラムで2 兆3000億ドル相当の債券を購入したことが背景にある。金は今年に入っ て1.4%上昇している。

米ロジック・アドバイザーズのパートナー、ウィリアム・オニール 氏は電話インタビューで、「何らかの緩和策が近く発表されることは明 白だとしても、市場は具体的な情報を知りたがっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.1%安の1オンス=1589.50ドルで終了した。一時 は1.3%下落する場面もあった。

原題:Gold Drops as Fed Chief Fails to Discuss Further Stimulus Steps(抜粋)

◎NY原油:続伸、7週ぶり高値-在庫減の観測や鉱工業生産で

ニューヨーク原油先物相場は5営業日続伸。7週間ぶりの高値と なった。原油在庫減少の観測や米鉱工業生産指数の上昇が手掛かり。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、米エネルギー 省が18日発表する13日終了週の原油在庫は80万バレル減少が予想されて いる。米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した6月の鉱工業生産指 数は前月比0.4%上昇した。FRBのバーナンキ議長が追加刺激策につ いて踏み込んだ言及をしなかったとの見方から、原油は下落する場面も あった。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の市場担当シニア アナリスト、フィル・フリン氏は「経済指標はなかなか良好で、原油需 要の見通し改善を示している」と指摘。「市場はあすの在庫統計に備え ている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比79セント(0.89%)高の1バレル=89.22ドルで終了。終値では5 月29日以来の高値となった。5日続伸は4月27日以来の最長。

原題:Oil Rises to Seven-Week High on Inventory, Industrial Production(抜粋)

◎欧州株:3日ぶり下落、FRB議長証言に失望-アルカテル安い

17日の欧州株式相場は3営業日ぶりに下落。バーナンキ米連邦準備 制度(FRB)議長が議会証言で具体的な追加刺激策に言及しなかった ことから、失望売りが出た。

フランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントはほぼ14年 ぶりの大幅安。4-6月(第2四半期)の赤字計上が嫌気された。英家 庭用品小売りのウォルセリーは1.9%安。フランスの事業を売却し、そ れに伴う評価損を計上する可能性を明らかにした。

一方、英CSRは34%急伸。同社の携帯テクノロジー部門を韓国の サムスン電子が買収することで合意した。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%安の256.09で終了。6月4日 に付けた年初来安値からは9.5%上げている。

マーケット・セキュリティーズの欧州チーフストラテジスト、ステ ファーヌ・エコロ氏は「この日の取引の大半は、バーナンキ議長が量的 緩和拡大を幾分示唆することを期待しながら行われていた」と指摘。 「ところが議長の証言は、緩和措置を容易に講じてはならないという内 容だった。つまり、もう一段の量的緩和の実施には程遠いというわけ だ。このような発言の後では、弱気派が強気派を上回るだろう」と語っ た。

この日の西欧市場では、18カ国中8カ国で主要株式指数が下落。ド イツのDAX指数は0.2%上げた。

原題:European Stocks Decline as Bernanke Gives No Stimulus Details(抜粋)

◎欧州債:独2年債マイナス利回り、景況感悪化とFRB議長発言で

17日の欧州債市場では、ドイツ2年債利回りがマイナスにとどまっ た。ドイツの景況感指数が半年ぶり低水準に落ち込んだほか、バーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)が追加刺激策を打ち出さなかったこ とが手掛かり。

ドイツ国債は一時の下げを埋める展開。雇用の改善に向けた動きは 「いら立たしいほど遅い」ものになる可能性が高いとしたバーナンキ議 長の発言に反応した。比較的安全とされる資産を求める動きから、オー ストリア2年債利回りは初めてゼロを下回った。フランス国債利回りは 過去最低を更新。ドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は 縮小し、ここ9カ月での最小となった。スペイン国債は下落。同国はこ の日に証券入札を行った。

KBC銀行の調査責任者ピエ・ラマン氏(ブリュッセル在勤)は、 「ドイツ利回りがゼロを下回っていることは、ある程度の安全を犠牲し て準中核国の比較的高い利回りを求めるよう多くの投資家に促した」と し、「オーストリアやフランス、ベルギーなどの準中核国が注目されて いる。スペインとイタリアに比べれば、これら国債の安全性は十分だ」 と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ2年債利回りはマイナス

0.05%で、前日からほぼ変わらず。一時はマイナス0.061%まで下げ、 過去最低を記録した。同国債(表面利率ゼロ、2014年6月償還)価格 は100.09。10年債利回りは1.23%で、横ばいとなっている。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した7月のドイツ の企業景況感を示す期待指数はマイナス19.6に低下し、1月以来の低 水準となった。

英国債

英国債相場は前日からほぼ変わらず。10年債利回りは1.5%とな った。前日は1.47%まで下げ、先月1日以来の低水準を付けた。同国 債(表面利率4%、2022年3月償還)価格は122.32。5年債利回り は0.55%。16日には過去最低となる0.531%まで下げた。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)が まとめた指数によると、英国債の年初来リターンはプラス4.1%。これ に対し、ドイツ国債は4.2%、米国債は2.8%となっている。

原題:German Two-Year Yields Stay Below Zero After Bernanke (Correct)(抜粋) Pound Falls Against Dollar as U.K. Inflation Unexpectedly Slows (抜粋)

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