TOPIXは2年ぶりの8日続落、輸出や素材売り-景気、円高懸念

東京株式相場は、TOPIXが約 2年ぶりに8日続落となった。低調な米国経済指標や為替の円高進行 への警戒から電機やゴム製品、輸送用機器といった輸出関連株、鉄鋼 や非鉄金属など素材関連株が下落。発送電分離などの監督官庁の基本 方針がまとまり、収益力低下への懸念で電力株は売り込まれた。

一方、海外景気の先行き不透明感が強い中、バリュエーション面 での割安感が意識され、不動産株が東証1部33業種の上昇率1位。保 険や証券など金融、医薬品、小売りといった内需関連株が堅調に推移 し、相場全般を下支えした。

TOPIXの終値は前週末比2.96ポイント(0.4%)安の743.38 で、2010年6月22日から7月1日に記録して以来の8日続落。一方、 日経平均株価は同30円88銭(0.4%)高の8755円と続伸した。

大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマネジャーは、欧州は 財政問題が景気後退を引き起こし、米国では予想を下回る経済指標が 相次ぐ中、「外需関連を避け、内需関連に資金を向ける動きがヘッジフ ァンドを中心に続いている」と指摘。ただ、外需売り・内需買いの動 きはやや行き過ぎで「中期的には逆の動きが出てくるだろう」とみる。

IMFは13年成長率予想を下方修正

米商務省が16日に発表した6月の小売売上高(速報値)は前月比

0.5%減少と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値

0.2%増を下回った。減少はこれで3カ月連続。また、国際通貨基金 (IMF)は同日、欧州債務危機が中国やインドなどすでに内需の後 退に見舞われている新興市場の景気拡大を鈍化させているとし、13年 の世界成長率見通しを4月時点の4.1%から3.9%に下方修正した。

米景気統計の低調などから、きょうの東京外国為替市場のドル・ 円相場は1ドル=78円台後半と、前週末の東京株式市場終了時の79 円台前半から円高水準で推移。収益下振れ懸念から電機や機械、自動 車など輸出関連には朝方から売り優勢で、TOPIXを押し下げた。

このほか東証1部33業種では、石油・石炭製品や電気・ガス、鉄 鋼、海運、パルプ・紙、ゴム製品、電機、非鉄金属、機械、輸送用機 器、ガラス・土石製品、繊維製品など20業種が下落。下落率1位の石 油・石炭製品は、JXホールディングスが下げをけん引。保安検査記 録に虚偽記載が判明したとし、岡山県の製油所工場の全精製装置を停 止すると県などに13日に報告。野村証券では、投資判断を「買い」か ら「中立」に下げた。

下落率2位の電力・ガスについては、経済産業省の電力システム 改革専門委員会が13日、電力会社の発送電分離や家庭向けの電力小売 りを全面的に自由化するなどの基本方針をまとめ、自由化による収益 力低下を懸念する売りが広がった。

内需堅調が下支え

こうした海外のマクロ動向に加え、TOPIXの株価純資産倍率 (PBR)が0.9倍を割り込むなどバリュエーション面での割安感が 意識される中、不動産や金融、医薬品、小売り、建設など内需関連業 種は朝方から堅調に推移し、株価指数を支えた。中でもファーストリ テイリングは4%超上げ、1銘柄で日経平均を29円強押し上げた。

立花証券顧問の平野憲一氏は、「復興需要や消費税増税前の駆け込 み需要など国内需要は期待できることから、 内需関連銘柄への資金シ フトが起きている」と話していた。

東証33業種では不動産、医薬品、保険、小売、食料品、証券・商 品先物取引など13業種が上昇。個別では、コスモス薬品が急騰。13 日に発表した12年5月期連結純利益は会社計画を14%上回ったほか、 ゴールドマン・サックス証券が目標株価を4600円から5000 円に引き 上げる材料があった。

東証1部の売買高は概算で15億640万株、売買代金は9231億円、 値上がり銘柄数は509、値下がり1024。国内新興市場では、ジャスダ ック指数が0.5%安の51.47と続落、東証マザーズ指数が0.4%安の

359.71と反落した。

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