7月16日の米国マーケットサマリー:株価は反落、景気懸念強まる

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2275   1.2249
ドル/円             78.86    79.18
ユーロ/円           96.80    96.98


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       12,727.21     -49.88     -.4%
S&P500種           1,353.64      -3.14     -.2%
ナスダック総合指数    2,896.94     -11.53     -.4%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .23%        -.01
米国債10年物     1.47%       -.02
米国債30年物     2.56%       -.02


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,591.60     -.40     -.03%
原油先物         (ドル/バレル)   88.36     +1.26    +1.45%

◎NY外国為替市場

16日のニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対してほぼ1カ月 ぶり安値に下落。対ユーロでの上げを失った。米小売売上高が市場予想 に反して前月から減少。投資家は米金融当局が景気押し上げのために一 段の行動を取るとの見方を強めた。

ユーロは対円で6週ぶり安値に下げた。ユーロ圏17カ国の6月のイ ンフレ率が2011年2月以来の低水準に並んだ。主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は上げを消した。バー ナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、議会証言を予定して いる。米5年債利回りは過去最低を更新した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリ ック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は、「利回り低下やドル下落の 動向は、米金融当局による追加緩和を見込んでいる市場の見方に一致す る」と述べ、「小売売上高は米国経済の70%を占める個人消費の動向を 示しており、3カ月連続のマイナスは明るい兆しではない。」と述べ た。

ニューヨーク時間午後2時48分現在、ドルは対円で0.5%下げて1 ドル=78円81銭。一時は78円69銭と6月18日以来の安値に下げた。ユー ロは対ドルで0.2%上昇して1ユーロ=1.2278ドル。一時、0.6%安 の1.2176ドルをつける場面もあった。7月13日には1.2163ドルと、2010 年6月以来の安値を記録。円は対ユーロで0.3%高の1ユーロ=96円74 銭。一時は6月1日以来の高値となる96円17銭に上昇した。

◎米国株式市場

ニューヨーク株式相場は反落。S&P500種株価指数は過去8営業 日のうち7日目の下落相場となった。国際通貨基金(IMF)が世界経 済の成長率見通しを下方修正したほか、米小売売上高が予想に反して前 月から減少したことが嫌気された。

JPモルガン・チェースは大幅安。ダウ工業株30種平均では他に家 庭用品小売りのホーム・デポと建機大手のキャタピラーも下げが目立っ た。一方で、原油価格の上昇を追い風にエネルギー株が値上がりし、株 式指数は一時、朝方の下げを縮小した。決済ネットワーク大手の米ビザ とマスターカードはカード手数料をめぐる訴訟で和解。これを受けた両 社株の上昇も株価指数を下支えした。

S&P500種は前営業日比0.2%下げて1353.64。一時、最大0.6%安 まで下げる場面も見られた。ダウ工業株30種平均は49.88ドル(0.4%) 安の12727.21ドルだった。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資責 任者(CIO)は電話インタビューで、「小売売上高があらためて示し ているのは、不透明感が消費者心理にも影を落としているということ だ」と指摘。「夏枯れ相場といった気配だ」と述べた。

◎米国債市場

米国債市場では、5年債利回りが過去最低に低下。小売売上高が市 場予想に反して3カ月連続で減少したことから景気失速懸念が強まり、 米国債の逃避需要が高まった。

世界経済の腰折れや欧州ソブリン債危機の悪化をめぐる懸念から、 この日は英国やカナダ、フランス、ドイツ、オランダでも国債利回りが 過去最低を付けた。ドイツの司法制度の頂点に立つ連邦憲法裁判所は、 ユーロ圏の恒久的救済基金と新財政協定の合憲性についての判断を下す のに8週間余り要することを明らかにした。追加緩和をめぐる観測が市 場に広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長 は、17日に半期ごとの金融政策報告を行う。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントで約30億ドル相当の債券運用 に携わるジェイ・ミュラー氏は、「米国の経済指標はこのところ、非常 に期待外れな内容が続いており、小売売上高はそれを浮き彫りにしてい る」と指摘。「加えて、欧州では引き続きソブリン債問題と景気低迷に 苦しんでおり、それは世界経済の足を大きく引っ張っていると同時に、 米国債の支援要因となっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時28分現在、5年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の0.59%。一時0.577%と、1日に付けたそ れまでの過去最低0.5884%を下回った。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は小幅反落した。

米商務省が発表した6月の小売売上高は前月比0.5%減少、3カ月 連続マイナスとなった。国際通貨基金(IMF)は2013年の世界成長率 見通しを3.9%と、4月時点の4.1%から下方修正した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日に米上院 で証言する。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では短期債を売 却し期間が長めの証券を同額購入する「オペレーション・ツイスト(ツ イストオペ)」を延長した一方、新たな債券購入プログラムの実施は見 送った。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「市場はバーナンキ議長が 何を考えているのかを知りたがっている」と指摘。「減速に歯止めをか けるための追加刺激措置を示唆するのかが注目される」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前週末比40セント安の1オンス=1591.60ドルで終了した。月初 からは0.8%値下がり。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は4営業日続伸。4月以降で最長の連続 高となった。7月のニューヨーク連銀製造業景況指数が市場予想を上回 ったことが手掛かり。

ニューヨーク連銀が発表した7月の同地区の製造業景況指数は7.4 に上昇した。前月は2.3だった。米株式相場が下げ幅を縮小し、ドルが 対ユーロで下落したことも原油の買いにつながった。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「今回 の製造業の数字は景気の底を示唆する新たな兆候だと受け止められてい る」と指摘。「原油はまた、株価やドルに左右されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前週末 比1.33ドル(1.53%)高の1バレル=88.43ドルで終了。4営業日続伸 は4月27日まで6営業日続伸して以来の最長。年初からは11%値下がり している。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007