NY外為:ドル下落、米小売売上高の減少で追加緩和の観測

16日のニューヨーク外国為替市場で はドルが円に対してほぼ1カ月ぶり安値に下落。対ユーロでの上げを失 った。米小売売上高が市場予想に反して前月から減少。投資家は米金融 当局が景気押し上げのために一段の行動を取るとの見方を強めた。

ユーロは対円で6週ぶり安値に下げた。ユーロ圏17カ国の6月のイ ンフレ率が2011年2月以来の低水準に並んだ。主要6通貨に対するイン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は上げを消した。バー ナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、議会証言を予定して いる。米5年債利回りは過去最低を更新した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリ ック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は、「利回り低下やドル下落の 動向は、米金融当局による追加緩和を見込んでいる市場の見方に一致す る」と述べ、「小売売上高は米国経済の70%を占める個人消費の動向を 示しており、3カ月連続のマイナスは明るい兆しではない。」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時30分現在、ドルは対円で0.5%下げて1 ドル=78円82銭。一時は78円69銭と6月18日以来の安値に下げた。ユー ロは対ドルで0.2%上昇して1ユーロ=1.2274ドル。一時、0.6%安 の1.2176ドルをつける場面もあった。円は対ユーロで0.3%高の1ユー ロ=96円74銭。一時は6月1日以来の高値となる96円17銭に上昇した。

米小売売上高

ドル指数は0.3%低下し83.091。一時は0.4%上昇する場面もあった が小売売上高の発表後、方向が変わった。

米商務省が発表した6月の小売売上高(速報値)は、季節調整済み で前月比0.5%減少。3カ月連続で前月から減少した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.2%の増加だっ た。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は9.05%に低下。これは4月27日以来の低水準だった。

安全逃避の需要を背景に米国債が買われたことから、ドルの下げは 抑制された。5年債利回りは過去最低の 0.5770%をつけた。

円が上昇

円は対ドルで上昇。米5年債と同年限の日本国債との利回り格差 は0.41ポイントと、2月以来の最小に縮小したことから、ドル建て資産 の魅力が後退した。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブリ アコフ氏(ニューヨーク在勤)は、「米国債利回りが低下していること で、円が恩恵を受けている。米金融当局による追加緩和への期待が徐々 に高まりつつあることを示すかなり典型的なケースだ」と述べた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した6月のユー ロ圏消費者物価指数(改定値)は前年同月比2.4%上昇と、伸び率は5 月から変わらずとなった。

原題:Dollar Weakens as Drop in U.S. Retail Sales Spurs Wagers on Fed(抜粋)

--取材協力:Lindsey Rupp、Lukanyo Mnyanda.