米国債(16日):5年債利回りが過去最低-小売売上高で逃避

米国債市場では、5年債利回りが過 去最低に低下。小売売上高が市場予想に反して3カ月連続で減少したこ とから、景気失速懸念が強まり、米国債の逃避需要が高まった。

世界経済の腰折れや欧州ソブリン債危機の悪化をめぐる懸念から、 この日は英国やカナダ、フランス、ドイツ、オランダでも国債利回りが 過去最低を付けた。ドイツの司法制度の頂点に立つ連邦憲法裁判所は、 ユーロ圏の恒久的救済基金と新財政協定の合憲性についての判断を下す のに8週間余り要することを明らかにした。追加緩和をめぐる観測が市 場に広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長 は、17日に半期ごとの金融政策報告を行う。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントで約30億ドル相当の債券運用 に携わるジェイ・ミュラー氏は、「米国の経済指標はこのところ、非常 に期待外れな内容が続いており、小売売上高はそれを浮き彫りにしてい る」と指摘。「加えて、欧州では引き続きソブリン債問題と景気低迷に 苦しんでおり、それは世界経済の足を大きく引っ張っていると同時に、 米国債の支援要因となっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下の0.60%。一時0.577%と、1日に付けたそれまで の過去最低0.5884%を下回った。

10年債利回りは2bp下げて1.47%。一時1.4403%を付けた。30年 債利回りは2bp低下し2.56%。一時2.52%を付けた。

経済情勢

米商務省が発表した6月の小売売上高(速報値)は、季節調整済み で前月比0.5%減少。前月は0.2%減だった。6月は、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.2%の増加だった。

ニューヨーク連銀が発表した7月の同地区の製造業景況指数は7.4 に上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値は4だった。前月は2.3。同指数ではゼロが景況の拡大と縮小の 境目を示す。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は、利回りは「2年債を除き、全ての年 限で過去最低を付けるだろう」と指摘。「消費者が支出を続けなけれ ば、経済活動の低迷が続く可能性は高まる。米国債の上昇に不思議はな い」と続けた。

独連邦憲法裁、バーナンキ議長

ジャージー氏は向こう2カ月で、10年債利回りが1.25%、30年債利 回りは2.25%に下げるとの予想を示した。

独連邦憲法裁(所在地カールスルーエ)は16日に電子メールで、欧 州安定化メカニズム(ESM)と新財政協定へのドイツの参加差し止め を求めた提訴への判断を9月12日に下すと発表した。提訴を受けた審理 は今月10日に行われた。

バーナンキ議長は17日、上院銀行委員会で、景気や金融政策の見通 しについて証言する。18日には下院金融サービス委員会で証言する。

バークレイズの金利戦略共同責任者、マイケル・ポンド氏は「経済 が市場予想よりも速いペースで悪い方向に進む中で、利回りは低下しつ つある」と指摘。「市場は、金融当局がオペレーションツイストから明 確な量的緩和へと政策を切り替えることを次第に織り込みつつある」と 述べた。

原題:Treasury 5-Year Note Yield Drops to Record as Retail Sales Fall(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE