LIBOR操作「思ったより簡単」-研究者やトレーダー

ロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)はそもそも設定方法に欠陥があり、これによって個々の 銀行は自行の利益のために何年にもわたって金利操作ができた。トレー ダーらが明らかにした。

金利操作を試みたとして失職した1人を含むトレーダーらの話によ ると、LIBORの日々の設定に影響を与えるのに、銀行従業員は他行 と共謀する必要はなく、これについては一部の監督当局者もそのような 結論に至った。当局による調査が続いているとして匿名で語った関係者 によると、自行が申告するLIBORの水準をちょっと上げ下げするだ けで、取引の価値押し上げや損失カットができたという。

銀行1行だけでLIBORを操作できる能力は英銀バークレイズが 公表した電子メールのほか、学術研究でも浮き彫りになった。同行は LIBOR操作を認め、英米当局から計2億9000万ポンド(約360億 円)の制裁金を科されたほか、ロバート・ダイアモンド最高経営責任者 (CEO)が辞任に追い込まれた。

米エール大学法科大学院の講師、アンドルー・バースタイン氏は 「LIBOR操作は思ったよりずっと簡単だ」と、規制に関する同大ジ ャーナルの2013年冬季号に掲載される論文で「共謀の必要はない」と指 摘する。

英国銀行協会(BBA)が公表するLIBORは、それぞれの銀行 が申告する金利水準から一部を除き、残った平均を算出する。例えば、 ドル建てLIBORでは、16行が申請。低めの4行と高め4行の金利を 除く残り8行の平均がLIBORとなる。BBAのウェブサイトによれ ば、上位と下位それぞれ4分の1が申告した金利を除くことで、最終算 出される水準に銀行1行が影響を及ぼすのは「あり得ない」としてい る。

シミュレーション

しかしバースタイン氏の論文は、それが可能であることを示唆す る。同氏はインタビューで、例えば銀行8行の申告を基にLIBORの ような金利を設定する例を挙げる。申告された1カ月物金利 は0.18%、0.20%、0.22%、0.23%、0.23%、0.25%、0.26%、0.27% だ。

ここで、1番目と2番目に低い金利と最高そして2番目に高い金利 を除く4行(0.22%、0.23%、0.23%、0.25%)の平均を算出する と0.2325%。しかし3番目に低い0.22%を申告した銀行が翌日に金利 を0.19%まで下げ、他行がそのままの水準であれば、前日に算出対象か ら除かれた0.20%が今度は平均金利の構成対象となり、最終金利 は0.2275%と0.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下す る。逆に、最低の0.18%を申告していた銀行が5bp高くすれば平均の 算出対象に入り、最終金利を0.2350%へと0.75bp押し上げることにな るという。

原題:Libor Flaws Allowed Banks to Rig Key Rate Without Conspiracy (2)(抜粋)

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