代々木公園で脱原発集会-「侮辱の中に生きている」と大江健三郎氏

ノーベル文学賞作家の大江健 三郎氏や、音楽家の坂本龍一氏らが呼び掛け人となった「さようなら 原発10万人集会」が16日、東京の代々木公園で開かれた。

参加者数について、主催者側は目標の10万人を上回る17万 人となったと発表。一方、警視庁は約7万5000人とみているとN HKが報じたが、警視庁・広報担当は公表していないとしている。 「さようなら原発1000万人アクション」事務局の井上年弘氏は、 実数をつかむために最善の努力をしているとし、「警察が毎回、主催 者側と大きくかい離する数字を発表するのは実数がよくわからなくな るので残念だ」と述べた。

大江氏は同日午後にステージに立ち、700万人を超える脱原 発署名を藤村修官房長官に提出した翌週に大飯原発再稼働が決まった ことで、「われわれは侮辱の中に生きている」と述べた。「政府のも くろみを打ち倒し原発の恐怖と侮辱から離れることができるまで活動 を続ける」とスピーチを締めくくった。

福島県いわき市から友人と参加したタイヤ販売会社の社員、山 田洋一さん(37)は、再稼働を決断した政府に反対するために参加 した。山田さんは「安全性を確認しないまま再稼働し福島の二の舞に なってはいけない」と話した。

会場の代々木公園では「原発反対」の旗やのぼりのほか、「消 費増税反対」や「雇用確保」といった旗を掲げる労働組合なども参加 し、午後2時前に渋谷や原宿方面に分かれてデモ行進を始めた。

野田佳彦首相は同日のフジテレビの番組で、脱原発集会や官邸 前 でデモが繰り返されていることに関して、原発事故があり、国民 にはまだ複雑な思いを持っている人がたくさんいると思うと述べ、 「国論を二分するテーマになっていると考えている。さまざまな声に しっかり耳を傾けていきたい」と語った。

--取材協力:広川高史 Editor:Hideki Asai