【今週の債券】長期金利0.7%前半に低下か、日銀オペ強化観測や好需給

今週の債券市場で長期金利は9年ぶ り低水準を更新して0.7%台前半まで低下するとの見方が出ている。前 週の日銀金融政策決定会合で短期国債を買い入れる際の下限金利の廃止 を決めたことで追加的なオペ強化策の観測が出ているほか、需給環境の 良さから金利に低下圧力が掛かりやすいことが背景。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.73-0.80%。予想レンジの下限0.73%は2003年6月27日以来の 低水準。前週末終値は0.77%。

前週の長期金利は一時0.755%と9年ぶり低水準を付けた。欧州債 務問題や米国景気懸念の強まりなどから、比較的安全な日本国債に資金 が流入。12日の日銀金融政策決定会合では、資産買い入れ等基金の運用 方針の見直しが決まり、国庫短期証券の入札下限金利(0.1%)を撤廃 したことで、長期国債の入札時の下限金利が撤廃されるとの見方につな がり、新発5年債利回りは0.175%と03年6月以来の水準まで下げた。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「国庫短期証券の買い 入れ金利の下限撤廃は、将来的には3年までの国債買い入れの下限金利 撤廃を誘発する可能性がある」と予想した。DIAMアセットマネジメ ントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャーは「短期国債買い入 れの下限金利撤廃により、0.1%の水準が鉄壁でなくなった」と指摘 し、2年債に若干の金利低下の余地があると分析した。

需給環境の良さも引き続き相場を支える見込み。前週10日実施の30 年債入札では、投資家需要の強さを示す応札倍率は4.09倍と昨年1月以 来の高水準となり、その後の現物債利回り低下につながった。DIAM アセットの山崎氏は「26日の20年債入札まで長期や超長期債の入札はな く、需給面から買いが入りやすい」と話した。

5年債入札、無難に消化との声

19日に5年利付国債(7月発行)の入札が実施される。前週末の入 札前取引では0.185%程度で推移した。このため、表面利率(クーポ ン)は前回債と横ばいの0.2%となる見込み。発行予定額は前回債と同 額の2兆5000億円程度。

今回の同入札について、岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジス トは「0.2%クーポンが維持され、銀行勢のやむなしの買いで無難に消 化されるだろう」との見方を示した。

13日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。 先物は9月物、10年国債利回りは新発の324回債。

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマ ネジャー 先物9月物144円00銭-144円80銭

10年国債利回り=0.73%-0.80%

「金利低下の地合いは転換しづらい。足元では金利水準が低くとも 買っていかざるを得ない材料が目白押しだ。欧州中央銀行(ECB)が 預金金利を0%に引き下げたことが、ドイツなど欧州の短期債利回りを 押し下げており、米国でも5年程度までの年限に金利低下が波及する見 込み。欧州債務問題は改善の方向にあるとはいえ、解決まではなお相当 の時間が必要だ」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

先物9月物143円90銭-144円70銭

10年国債利回り=0.73%-0.80%

「高値警戒感が強いものの、需給環境を考えると押し目買い。10年 債は0.7%台が定着し、堅調な流れが続くだろう。米独で国債利回りの 低下が進んでいる上、円債は円高が進めばさらなる低下余地も出てく る。世界の金融緩和に日銀は後れを取った感じがあり、ユーロ安主導で 円高リスクがある。また、超長期債で割安感を修正するような買いが入 れば、相場全体の堅調さを後押しする」

◎パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長

先物9月物144円00銭-144円55銭

10年国債利回り=0.73%-0.80%

「債券市場の需給は悪くない。ドル高や欧州・中国経済の鈍化を背 景に、米企業決算がそれほど良くないことを織り込む展開か。日米株価 が大きく動かないのであれば、超長期債を中心にキャリー(金利収入) を取っていく方向。5年債入札については、前回105回債と銘柄統合す るリオープン発行か。同ゾーンはやや割高になっており、軟調となる可 能性がある」

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