米国債:利回り上昇、中銀の追加緩和策への期待高まる

13日の米国債市場では30年債利回り が過去最低付近から上昇。主要中央銀行が景気を押し上げるために一段 の措置を取るとの観測が背景にある。

この日の米国株式相場は上昇。S&P500種株価指数は約2カ月ぶ りの連続安から反発した。これが米国債の投資妙味を後退させた。中国 経済の成長減速を受けて、中銀の追加緩和への期待が強まった。6月の 米生産者物価指数(PPI)が市場予想に反して4カ月ぶりのプラスと なったことも、国債にとっては売り材料となった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「市場の不安は強い。世界的 に経済成長の勢いが失われている」と述べ、「中銀が何らかの対策を講 じる」との期待が高まっていると続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時4分現在、30年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して2.57%。6月1日には過去最低の2.5089%をつけ た。10年債利回りは2bp上昇して1.49%。過去最低は6月1日 の1.4387%。

クレディ・スイス・グループは10年債利回りが年末までに1.35%へ 低下するとの見通しを示した。

クレディ・スイスのリサーチャーは13日付のリポートで、「リスク 志向の勢いが失速した」と記述、「米金融当局が出口戦略の実行によう やく着手する前に投資家はまずリセッション(景気後退)の現実的な可 能性を見極める必要がある」と指摘した。

生産者物価指数

米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)は前月 比0.1%上昇。前月は1%の低下だった。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%低下だった。食品とエネル ギーを除いたコア指数は前月比0.2%の上昇だった。

今月17日には6月の消費者物価指数(CPI)が発表される。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想では前月比で変わらず。5月 は0.3%の低下だった。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ 債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「利回りが極端に低い状況で は利回りを押し上げるのにそれほど材料は必要ではない」と述べ、「こ の日の利回りは、予想を上回ったPPI統計に反応したものだ」と指摘 した。

中国の経済成長

中国の2012年4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)伸び 率は6四半期連続で鈍化し、世界的な金融危機以降で最も低い伸びとな った。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「あらゆる経済統計が景気減速が近づきつつあることを示唆し ており、米国債はなお賢明な投資先だ」と述べた。

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、米 国債は今週、最も割高な水準となった。10日のタームプレミアムはマイ ナス0.9617%と最も割高な水準だった。マイナスのタームプレミアムは 適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れていることを意 味する。

10年債と同年限インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.07ポ イント。1年前は2.29ポイントだった。

原題:Treasury Yields Rise Amid Wagers Central Banks Will Add Stimulus(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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