7月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが反発、世界的な追加刺激への期待で

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが反発。対ドルでは一時約2 年ぶりの安値に下げたものの、世界の主要中央銀行が一段の成長支援措 置を講じるとの観測が広がったことで、ユーロ買いが優勢になった。

ユーロは対円でも上昇し、週間での下げ幅を縮めた。欧州債務危機 が深刻化すれば、欧州中央銀行(ECB)は中銀預金金利の一段の引き 下げを含む緩和措置を講じる構えだとメドレー・グローバル・アドバイ ザーズがリポートで指摘した。格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスはイタリアを格下げしたが、その後実施されたイタリア国 債入札では借り入れコストが低下した。中国の成長減速を背景に、同国 が追加刺激策を講じるとの見方も強まっている。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「ムーディーズによる 大幅格下げ後に実施されたイタリア入札はまずまず順調で、後にユーロ が買い戻される環境を整えた」と指摘。「中国の指標が一部で心配され ていたほど悪くなかったこともあり、リスク資産に対する買い安心感が 広がっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで4日ぶりに上 げ、前日比0.4%高の1ユーロ=1.2249ドル。一時は0.3%安の1.2163ド ルと2010年6月以来の安値を付けた。週間では0.3%下落。ユーロは対 円で前日比0.2%高の1ユーロ=96円98銭。週間では0.9%値下がり。円 は対ドルで前日比0.2%高の1ドル=79円18銭。

「生き残れない」

ユーロは対ドルで前日の安値1.2167ドルを割り込んだ直後に上昇し た。

米投資顧問会社のBKアセット・マネジメントの為替マネジング・ ディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は電話 インタビューで、「通貨が年初来の安値を更新すれば、ショートカバー (買い戻し)で反発するのは非常によくあることだ」と述べた。

米資産家ウォーレン・バフェット氏はユーロは破綻する運命にある と述べ、ユーロ圏諸国が通貨同盟を維持したいのであれば単一通貨を根 本的につくり直す必要があると述べた。

バフェット氏はアイダホ州サンバレーでブルームバーグテレビジョ ンのインタビューに応じ、「現在の規則の下ではユーロが生き残れない ことを、欧州は学びつつある。問題は、基本的にやり直す方向でユーロ 圏17カ国が団結できるかどうかだ」と続けた。

「刺激措置への期待」

イタリア政府は3年債を35億ユーロ(約3380億円)発行した。落札 利回りは4.65%と、前回入札が行われた6月14日時点の5.3%を下回っ た。

ドルは主要16通貨中スウェーデン・クローナを除く全通貨に対して 下落。一方、豪ドルやニュージーランド・ドルなど資源国通貨は米ドル と円に対して上昇した。ウエスタン・ユニオンのマニンボ氏は「中国の 指標を受けた刺激措置への期待や、それをきっかけとした商品高が背景 にある」と話した。

商品24銘柄で構成するS&PのGSCIスポット指数は1%値上り した。

原題:Euro Rises From Two-Year Low Amid Bets on Global Central Banks(抜粋)

◎米国株:反発、中国の景気刺激観測で-JPモルガン高い

米株式相場は7営業日ぶりに上昇。中国が景気刺激措置を拡大 するとの観測が広がった。決算を発表したJPモルガン・チェース が高い。S&P500種株価指数は、この日の上げで週初から前日ま での下げを埋めた。

ダウ工業株30種平均では、JPモルガンの上げが目立った。 ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、4-6月(第 2四半期)のチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門 での損失が44億ドルになったとしたものの、通期では最高益を達 成する可能性が高いとの予想を示した。ウェルズ・ファーゴも高い。 同行の第2四半期決算は前年同期比17%増益となった。製油会社の フィリップス66は大幅高。バークシャー・ハサウェイのウォーレ ン・バフェット氏が同社への投資を明らかにしたことに反応した。

S&P500種株価指数は前日比1.7%高の1356.78。週間では

0.2%高となった。企業業績への懸念を背景に過去6営業日で

2.9%下落していた。ダウ工業株30種平均はこの日203.82ドル (1.6%)上げて12777.09ドル。

シマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ) の上級投資責任者、トム・ワース氏は「6日続落していたことから、 市場は状況の改善を期待している」とし、「まずは中国からのニュ ースに反応し、JPモルガンで勢いが強まった。取引損失問題は 95%解決したという信頼感が背景だ。JPモルガンは回復基調にあ る」と続けた。

景気減速懸念

相場は前日、世界の景気減速や米企業の業績に対する懸念から 下落していた。ブルームバーグのデータによれば、S&P500種構 成企業で今週決算を発表した6社のうち4社で、利益がアナリスト 予想を上回った。予想を下回ったのは1社だった。全体では、4- 6月期の利益は2.1%減が予想されている。

中国の4-6月期の国内総生産(GDP)伸び率は6四半期連 続で鈍化し、世界的な金融危機以降で最も低い伸びとなった。国家 統計局はこの日、4-6月期のGDPが前年同期比7.6%増となっ たと発表。今年1-3月(第1四半期)の8.1%増を下回り、3年 ぶりの低い伸びにとどまった。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は7.7%増だった。

欧州債務危機や世界的な景気減速への懸念から、S&P500種 は4月に付けた4年ぶり高値から6月1日までに9.9%下落。それ 以降は、欧州や中国の利下げなどを手掛かりに6.2%回復している。

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種採用銘柄の株 価収益率(PER)は実績ベースで13.7倍と、1954年以降の平均

16.4倍を16%下回っている。アナリスト調査によれば、S&P 500種採用企業の利益は今年6.4%増となる見込みだ。

消費者信頼感

7月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は市場の予想に反して低下、年初来の低水準となったも のの、株価は上昇を維持した。労働省が発表した6月の生産者物価 指数(PPI)は予想外に上昇した。

S&P500種の業種別10指数は全て上昇。金融株が2.8%高 と最大の上げとなった。景気敏感株で構成するモルガン・スタンレ ー・シクリカル指数は2.1%高。KBW銀行指数は3.3%上昇と、 3月以来の大幅高となった。同指数を構成する24銘柄全てが上げ た。

JPモルガンは6%高の36.07ドル。ダウ平均とS&P500種 の両方で値上がり率トップとなった。

ウェルズ・ファーゴは3.2%上昇し33.91ドル。このほかバン ク・オブ・アメリカ(BOA)が4.6%高の7.82ドル。シティグ ループは5.4%上げて26.65ドル。

フィリップス66は5.9%値上がりし、34.94ドル。バークシ ャーは、石油会社コノコフィリップスが今年に入りスピンオフ(分 離・独立)した製油会社フィリップス66に投資したことを明らか にした。

原題:S&P 500 Erases Weekly Loss on JPMorgan Rally, China Speculation(抜粋)

◎米国債:利回り上昇、中銀の追加緩和策への期待高まる

13日の米国債市場では30年債利回りが過去最低付近から上昇。 主要中央銀行が景気を押し上げるために一段の措置を取るとの観測 が背景にある。

この日の米国株式相場は上昇。S&P500種株価指数は約2カ 月ぶりの連続安から反発した。これが米国債の投資妙味を後退させ た。中国経済の成長減速を受けて、中銀の追加緩和への期待が強ま った。6月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想に反して4カ 月ぶりのプラスとなったことも、国債にとっては売り材料となった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャ スティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「市場の不安は強い。 世界的に経済成長の勢いが失われている」と述べ、「中銀が何らか の対策を講じる」との期待が高まっていると続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後4時4分現在、30年債利回りは1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇して2.57%。6月1日には過去最低の

2.5089%をつけた。10年債利回りは2bp上昇して1.49%。過 去最低は6月1日の1.4387%。

クレディ・スイス・グループは10年債利回りが年末までに

1.35%へ低下するとの見通しを示した。

クレディ・スイスのリサーチャーは13日付のリポートで、 「リスク志向の勢いが失速した」と記述、「米金融当局が出口戦略 の実行にようやく着手する前に投資家はまずリセッション(景気後 退)の現実的な可能性を見極める必要がある」と指摘した。

生産者物価指数

米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)は前月 比0.1%上昇。前月は1%の低下だった。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%低下だった。食品 とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%の上昇だった。

今月17日には6月の消費者物価指数(CPI)が発表される。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では前月比で変わらず。 5月は0.3%の低下だった。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチ ーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「利回りが極端に低 い状況では利回りを押し上げるのにそれほど材料は必要ではない」 と述べ、「この日の利回りは、予想を上回ったPPI統計に反応し たものだ」と指摘した。

中国の経済成長

中国の2012年4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP) 伸び率は6四半期連続で鈍化し、世界的な金融危機以降で最も低い 伸びとなった。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター 兼米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニュ ーヨーク在勤)は「あらゆる経済統計が景気減速が近づきつつある ことを示唆しており、米国債はなお賢明な投資先だ」と述べた。

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融 モデルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)によ ると、米国債は今週、最も割高な水準となった。10日のタームプレ ミアムはマイナス0.9617%と最も割高な水準だった。マイナスの タームプレミアムは適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に 受け入れていることを意味する。

10年債と同年限インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

2.07ポイント。1年前は2.29ポイントだった。

原題:Treasury Yields Rise Amid Wagers Central Banks Will Add Stimulus(抜粋)

◎NY金:4日ぶり上昇、中国による一段の景気刺激策を期待

ニューヨーク金先物相場は4日ぶりに上昇。中国の成長減速を受 けて政策当局が追加刺激措置を講じるとの観測が強まった。世界最大 の金消費国インドで金需要が拡大したことも買い材料になった。

中国の2012年4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP) 伸び率は6四半期連続で鈍化し、世界的な金融危機以降で最も低い伸 びとどまった。年後半の景気回復に向け、温家宝首相に刺激策拡充を 求める圧力が高まった。UBSによると、11日のインドの金現物需要 は今月に入って最高だった。業界団体ワールド・ゴールド・カウンシ ル(WGC)によれば、インドは昨年、世界最大の金消費国だった。

アトヤント・キャピタル・マネジメントの運用担当者、プラティ ク・シャーマ氏は電話インタビューで、「中国が成長てこ入れ策を発 表するとの見方が広がっている」と指摘。さらに「現在の価格水準で は割安感から買いを入れる動きも一部にみられる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前日比1.7%高の1オンス=1592ドルで終了した。週間で は0.8%値上り。

原題:Gold Advances for First Time in Four Days on China Stimulus Bets(抜粋)

◎NY原油:3日続伸、株高で-中国景気減速で刺激策観測

ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。中国の景気減速で追加刺 激策の思惑が強まったほか、米国株の反発が買いを誘った。

中国の経済成長は3年ぶりの小幅な伸びにとどまり、同国政府に 行動を促す圧力が高まった。S&P500種株価指数は7日ぶりに上昇 した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ (マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「中国などが刺激策を発表し、下半期に経済成長が加速して石油需要 が高まるとの見方が強まっている」と指摘。「株価とともに強気基調 に戻った」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比1.02ドル(1.18%)高の1バレル=87.10ドルで終了。週間で は3.1%上昇した。年初からは12%安。

原題:Oil Rises for Third Day on China Speculation, Rising Equities(抜粋)

◎欧州株:上昇、追加刺激策を期待-イタリア国債入札も好感

13日の欧州株式相場は上昇。中国経済が4-6月(第2四半期) に3年ぶりの低成長となったことから追加刺激策の観測が高まった。 イタリアの国債入札で借り入れコストが前回入札から低下したことも 手掛かりとなった。株価は週間ベースでは6週連続高となった。

ノルウェーの保険会社、ストアブランドは8.2%上昇。増資せず に自己資本比率の条件を達成できることを明らかにした。スイスのソ フトウエアメーカー、テメノス・グループは5.9%上げた。フランス の自動車メーカー、プジョーシトロエングループ(PSA)は少なく とも1989年以来の安値まで売り込まれた。同社が発表した工場閉鎖 と人員削減の計画に対し、フランス政府が介入するとの懸念が浮上し た。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%高の256.26で終了。 前週末比では0.7%上げた。6週連続高は2010年4月以降で最長の 上昇局面。

TTNのヘッジファンド・マネジャー、トルンティン・グエン氏 (チューリヒ在勤)は「中国経済の減速は既に織り込み済みで、意外 ではなかった。遠からず追加刺激策の発表があるとみられている」と し、「スペインやイタリアなども含め、欧州での国債入札が肯定的に 捉えられているようだ」と付け加えた。

13日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指 数が上昇した。

原題:European Stocks Rise on China Stimulus Bets, Italy Bond Auction(抜粋)

◎欧州債:イタリア10年債続落、格下げで-独債利回り過去最低

13日の欧州債市場でイタリア10年債が続落し、利回りは6% を突破した。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービ スが同国の格付けを2段階引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ (弱含み)」に据え置いたためだ。

イタリアがこの日実施した2015年償還債の入札では目標上限 の35億ユーロを発行、借り入れコストは低下した。これを受け、 2年債は一時の下げから上昇に転じた。比較的安全とされる資産を 求める動きから、オーストリアとベルギー、フランス、ドイツの2 年債利回りはいずれも過去最低を記録。オランダ2年債利回りは初 めてゼロを下回った。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニッ ク・スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「格下げでイタリ ア国債が売りを浴びた」と述べ、「海外投資家にイタリア国債の売 却を迫る圧力は高まるだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時35分現在、イタリア10年債利回りは 前日比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

6.06%。一時は6.08%まで上げた。同国債(表面利率5.5%、 2022年9月償還)価格は1.065下げ96.45。

ムーディーズはイタリアの景気見通しの悪化を理由に挙げ、国 債格付けを「A3」から「Baa2」に2段階引き下げた。

一方、イタリア2年債利回りは19bp下げ3.62%。一時は 28bp上昇した。3年債入札で平均落札利回りは4.65%と、6月 14日の前回入札時の5.3%を下回った。応札倍率は1.73倍。前 回入札では1.59倍だった。イタリア政府は2019年、22年、23 年に満期を迎える国債も発行した。

ドイツ2年債利回りは前日比1bp低下しマイナス0.05%。 ブルームバーグがデータ集計を開始した1990年以降の最低となる マイナス0.052%まで下げる場面もあった。5年債利回りは2bp 下げ0.285%と、過去最低を付けた。

英国債

英国債相場は今週上昇し、週間ベースで2週連続高となった。 ムーディーズのイタリア格下げのほか、中国経済が4-6月(第2 四半期)に6四半期連続で鈍化したことが材料視された。

英10年債利回りは1.54%と、前日からほぼ変わらず。前週 末比では5bp下げた。同国債(表面利率4%、2022年3月償還) 価格は121.965。12日には1.505%まで下げ、先月1日以来の 低水準を付けた。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来リターンは3.6%となっ ている。

原題:Italy’s Bonds Fall on Downgrade as German Yields Drop to Records(抜粋) Pound Rises to Strongest Since 2008 Versus Euro on U.K. Outlook (抜粋)