中国要人も認める操作疑惑-GDP統計は計画経済の名残か

中国の国内総生産(GDP)統計に 盛り込まれる数字には「人の手が加えられており、参考にしかならな い」と2007年に述べたのは、当時共産党の地方指導者だった李克強副首 相だ。

来春には首相に就くとみられる李氏の発言は、10年後半に内部告発 サイト「ウィキリークス」に公電が掲載されて明らかになった。中国国 家統計局は13日、4-6月(第2四半期)GDPが前年同期比7.6%増 えたと発表。中国経済は3年ぶりの低成長に落ち込んだ。

投資家やバンカー、民間エコノミストらが直面しているのは統計局 が発表する数字の解釈の難しさだとブルームバーグ・ビジネスウィーク 誌(7月16日号)は伝えている。統計局の馬建堂局長は2月、省・自治 区・直轄市が昨年公式に発表したGDPを全て合わせると国のGDP規 模を約10%上回ると言及。工業生産を含む一部の項目が重複して数えら れており、統計局がこの問題への対応を試みていると馬局長は説明し た。

中国の都市部失業率はここ10年間、4%弱から4.3%の間で推移。 一般的には公式のGDPと同じような動きを示すはずの電力消費は GDP伸び率の鈍化ペースより急に減速している。こうしたことが10年 に1度の指導部交代が今秋から始まる中国が、GDP統計を良く見せよ うとしている可能性があるとの憶測をかき立てている。

カラオケと外食

マクロ経済コンサルティング会社GKドラゴノミクスの調査ディレ クター、アンドルー・バットソン氏(北京在勤)は「ブラックボックス から数字が出てきて、その数字は他の数字といつも整合性が取れている わけではない。今年のGDPの数字がうまい具合にならされたとしても 驚かないだろう」と話す。

官僚・役人に鉄鋼生産から収穫高、地方のGDPを含む何から何ま で中央政府からの目標が与えられるというのは計画経済の名残で、目標 を達成した役人が昇進するのが伝統だ。中国人民大学の金勇進教授によ れば、中国には「幹部がデータをつくりデータが幹部をつくる」という 言い回しがあるのだという。

中国の統計制度は、サービス分野や中所得者層の消費をうまく把握 できない可能性がある。英銀スタンダードチャータードの大中華圏調査 地域責任者スティーブン・グリーン氏(香港在勤)は、「中国で生産さ れた自動車台数の統計を見れば、恐らく多少なりとも正確な数字が得ら れるだろうが、中国の統計制度は人々がどれくらいカラオケや外食を楽 しんだかを測るのは得意ではない」と語る。

グリーン氏によれば、小売売上高には役所や大手国有企業による購 入分も含まれており、それが景気下降局面でも小売売上高が減少しなか った理由の説明となる公算が大きい。個人消費が落ち込んだときでも国 有企業は購入し続けることを指示されるという。

原題:China Economic Data Questioned as Electricity Use Slows Down (1)(抜粋)

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