TOPIXは年末940へ、評価低過ぎの商社株有望-クレディスイス

クレディ・スイス証券株式調査部の 大西勝ディレクターは、世界的な金融緩和の効果がことし後半の日本株 相場を押し上げると予想し、割安感や業績モメンタムの強さで日本は米 国に比べ優位とみている。

大西氏がこのほど、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで 述べた。同氏が掲げるTOPIXの年末目標値940ポイントは、12日終 値から26%高い水準で、PERは15.5倍に相当。やや高めだが「許容さ れる」という。過去の過剰流動性と予想PERの前年比の推移を見る と、予想PERが3カ月先行する傾向があり、「足元での世界的な流動 性供給を踏まえると、年末に向けPER拡大が期待できる」と話す。

日米の配当利回りを見ると、日本の方が高い。イールドギャップだ けでなく、今や表面利回りも米国を上回る状況だ。ブルームバーグ・デ ータによると、東証1部銘柄の予想配当利回りは2.59%、米S&P500 種株価指数は2.26%。今期EPS成長率予想は米4.9%、日本55%。

ただ、ことしの夏はサマーラリーというよりは夏枯れを想定。「い ったん緩和などの期待が株価に織り込まれてしまうほか、米国経済がや や弱含むため」と大西氏。4-6月の米企業業績発表を受け、7月から は株価モメンタムが低下する局面に入り、本格的な上昇開始は日本企業 の4-9月決算発表を受けた秋以降と予想している。

6月以降に発表された経済指標がさえず、米景気について目先は慎 重だ。「日本株に対する先行性があるISMの新規受注悪化が気掛か り」と同氏。ただ、そうした中でも雇用に9カ月先行する傾向がある S&P/ケース・シラー住宅価格指数が良かった点は注目でき、雇用は 今後数カ月低迷するとみられるものの、大幅な悪化にはならないと楽観 視している。

商社がトップピック

大西氏が有望視する業種は商社。商品市況安が株価を押し下げてい るが、「コモディティ以外のビジネスの評価が低過ぎる」との見方だ。 同証の西山雄二アナリストは、中期的な株価カタリストとして非資源事 業の利益底上げによるバリュエーション訂正を挙げ、三井物産の注目点 は化学品事業の復調だ、とリポートで指摘する。

大手商社株は、商品市況がさらに下落しても赤字になる体質ではな いにもかかわらず、PBRは0.7-0.8倍と資本き損リスクがあるかのよ うな市場評価を受けている。主要銘柄の配当利回りはすべて4%以上、 PERは6倍以下で割安感が強い。

自動車や通信株も魅力

商社株以外では、シクリカルで自動車株も投資魅力が高いと大西氏 はみている。ただ、米景気がいったん踊り場を迎えると予想しており、 投資タイミングはその後でも良いとした。また、ヘッジ手段としてディ フェンシブ銘柄への投資も有効とし、中でも今後特許切れが相次ぐなど ファンダメンタルズから買いにくい医薬品株ではなく、よりシクリカル 性があり、利回りも高い通信株を勧めている。