米国債:上昇、入札で過去最低の落札利回り-強い安全志向

米国債相場は上昇。比較的安全だと される米国債の旺盛な需要で、この日実施された30年債の入札(規 模130億ドル)でも最高落札利回りは過去最低となった。

財務省が実施した30年債入札の結果によると、最高落札利回り は2.580%。これまでの過去最低は前回6月14日の2.72%だった。前日 の10年債入札でも最高落札利回りは過去最低の1.459%を記録してい た。景気を支えるために主要国中央銀行は追加緩和策を講じる必要があ るとの観測を背景に、ドイツや英国、日本など他の高格付けの国債も買 われた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「このようなリスクを回避する環境下では、投資家は利 回りや安全性、流動性というものを求めている」と述べた。「利回りは 極度に低いが、リスクの高い資産で損失を出すよりはいい。高い流動性 という観点からも購入する値打ちがある。これが入札で需要を押し上げ た背景だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時6分現在、30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下して2.56%。6月1日には2.5089%の過去最低を記録し た。

10年債利回りは4bp下げて1.47%。6月1日には過去最低とな る1.4387%まで下げた。

失業保険申請件数

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から2万6000件減少して35万件。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は37万2000件だった。この統計の発 表後も米国債は堅調に推移した。

30年債入札で投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.70倍と、過 去10回の平均値と一致した。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札に占める比率は36.8%と、昨 年9月以来の最高だった。6月時点では32.5%、過去10回の平均値 は31.6%となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の落札比率は20.1%と、前月の24%から低下した。過去10回の平均 値は17.3%。

短期債を売却し期間が長めの証券を同額購入するオペレーションツ イスト(ツイストオペ )に基づき、米金融当局はこの日、償還期 限2013年7月から2014年1月までの証券79億3000万ドルを売却した。6 月20日に連邦公開市場委員会(FOMC)は同オペを延長する方針を示 した。

米国債のリターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、30年債のリターンは年初から7.8%。10年債は5%、2年債は0.1% となっている。

連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、米 国債はこれまでで最も割高な水準に近づいている。この日のタームプレ ミアムはマイナス0.9435%。10日にはマイナス0.9617%と最も割高な水 準を付けた。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利回りで も投資家が積極的に受け入れていることを意味する。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は前日に63.8bpだっ た。5月7日には5年ぶり低水準の56.7bp。年初からの平均は76bp となっている。年初来の最高は6月15日の95.4bp。金融危機が深刻化 した2008年10月は264.6bpと過去最高を記録した。

原題:Treasuries Rally as Auction Draws Record Yield on Haven Demand(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.