7月12日の米国マーケットサマリー:株が6日続落、景気減速懸念

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2203   1.2239
ドル/円             79.29    79.76
ユーロ/円           96.76    97.63


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種     12,573.27    -31.26     -.2%
S&P500種         1,334.76     -6.69     -.5%
ナスダック総合指数  2,866.19    -21.79     -.8%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .25%        -.01
米国債10年物     1.47%       -.04
米国債30年物     2.56%       -.05


商品 (中心限月)            終値   前営業日比   変化率
COMEX金(ドル/オンス) 1,565.30  -10.40   -.66%
原油先物   (ドル/バレル)    85.76    -.05   -.06%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円が全面高。ユーロに対してはほぼ 1カ月半ぶりの高値に上昇した。世界的な景気減速の兆候を受け、比較 的安全とされる円の需要が高まった。

ドルは主要通貨のほとんどに対して上昇。ユーロは2010年7月以来 初めて1ユーロ=1.22ドルを割り込んだ。英ポンドも下落。欧州危機の 解決に目途が立たないとの懸念が背景にある。日本銀行が追加緩和に踏 み切らなかったことから、逃避としての円買いに拍車がかかった。一 方、オーストラリア・ドルは反落。雇用市場の陰りが不安視された。カ ナダ・ドルは下げを埋める展開。同国最大の輸出品目である原油の価格 下げ止まりを好感した。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は電話インタビューで、「日銀がこの日発表した展望 リポートは幾らか失望を誘うものだった」とし、「若干の買い入れ増額 を決めたが、数字合わせにすぎない。新たな資金を伴わないため、市場 にはやや失望が広がった」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時現在、円は対ユーロで前日比0.9%高の 1ユーロ=96円73銭。一時は96円43銭と6月1日以来の高値を付けた。 ドルに対しては0.6%高の1ドル=79円31銭。ユーロは対ドルで0.4%下 げて1ユーロ=1.2196ドル。一時、1.2167ドルまで下げる場面も見られ た。

◎米国株式市場

米株式相場は6営業日続落。世界の経済成長や企業業績に対する懸 念が高まった。

ただ消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や医薬 品のメルクが大きく上げたことで、相場は下げを縮める展開となった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指 数は0.5%安の1334.76。ダウ工業株30種平均は31.26ドル(0.3%)下げ て12573.27ドル。

フォート・ワシントン・インベストメント・アドバイザーズのニッ ク・サージェン最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「景 気は世界的に減速している」と指摘。「ウォール街のアナリストは、企 業の業績ガイダンス下方修正を受けて、4-6月(第2四半期)の決算 予想を下向きに修正している。企業利益の伸びは、これまで相場の主な 押し上げ材料だったが、今後はその力が弱まるだろう」と分析した。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。比較的安全だとされる米国債の旺盛な需要で、 この日実施された30年債の入札(規模130億ドル)でも最高落札利回り は過去最低となった。

財務省が実施した30年債入札の結果によると、最高落札利回り は2.580%。これまでの過去最低は前回6月14日の2.72%だった。前日 の10年債入札でも最高落札利回りは過去最低の1.459%を記録してい た。景気を支えるために主要国中央銀行は追加緩和策を講じる必要があ るとの観測を背景に、ドイツや英国、日本など他の高格付けの国債も買 われた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「このようなリスクを回避する環境下では、投資家は利 回りや安全性、流動性というものを求めている」と述べた。「利回りは 極度に低いが、リスクの高い資産で損失を出すよりはいい。高い流動性 という観点からも購入する値打ちがある。これが入札で需要を押し上げ た背景だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時6分現在、30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下して2.56%。6月1日には2.5089%の過去最低を記録し た。

10年債利回りは4bp下げて1.47%。6月1日には過去最低とな る1.4387%まで下げた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ほぼ2週間ぶりの安値となった。 先週の米新規失業保険申請件数が前週から減少したことを手掛かりに、 米金融当局に追加緩和を求める圧力が後退するとの見方が広がった。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申件数(季節調整済み) は、前週から2万6000件減少して35万件。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値は37万2000件だった。米連邦準備制 度理事会(FRB)が前日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC) 議事録によると、政策当局者は追加緩和を講じた場合のリスクについて 検討した。

TDセキュリティーズのバイスプレジデント、スティーブ・スカカ ロシ氏は「米当局が追加措置を近く発表することはないとの見方をきょ うの指標はさらに裏付けるものだ」と電子メールでコメントした。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.7%安の1オンス=1565.30ドルで終了した。一時 は1554.40ドルと、6月29日以来の安値を付ける場面もあった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米国がイランに対する追加制裁 措置を発表したことで、買いが優勢になった。イランは石油輸出国機構 (OPEC)加盟国で第2位の産油国。

米財務省はイランの兵器拡散ネットワークや国際的制裁の回避を支 援するトンネル会社をターゲットにしていると明らかにした。これより 先、原油は下落していた。ユーロが対ドルで2年ぶり安値に下げたこと や、国際エネルギー機関(IEA)が2013年の原油需要について伸びが 抑制されるとの見通しを示したことが背景。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「新たな制裁で供給に支障が出ると の懸念が強まり、相場を支えている」と指摘。「世界経済の全体像はか なり厳しい状況のままだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比27セント(0.31%)高の1バレル=86.08ドルで終了。年初から は13%値下がりしている。