NY外為:円が全面高、対ユーロで1カ月半ぶり高値

ニューヨーク外国為替市場では円が 全面高。ユーロに対してはほぼ1カ月半ぶりの高値に上昇した。世界的 な景気減速の兆候を受け、比較的安全とされる円の需要が高まった。

ドルは主要通貨のほとんどに対して上昇。ユーロは2010年7月以来 初めて1ユーロ=1.22ドルを割り込んだ。英ポンドも下落。欧州危機の 解決に目途が立たないとの懸念が背景にある。日本銀行が追加緩和に踏 み切らなかったことから、逃避としての円買いに拍車がかかった。一 方、オーストラリア・ドルは反落。雇用市場の陰りが不安視された。カ ナダ・ドルは下げを埋める展開。同国最大の輸出品目である原油の価格 下げ止まりを好感した。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は電話インタビューで、「日銀がこの日発表した展望 リポートは幾らか失望を誘うものだった」とし、「若干の買い入れ増額 を決めたが、数字合わせにすぎない。新たな資金を伴わないため、市場 にはやや失望が広がった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時31分現在、円は対ユーロで前日比0.9% 高の1ユーロ=96円73銭。一時は96円43銭と6月1日以来の高値を付け た。ドルに対しては0.6%高の1ドル=79円28銭。ユーロは対ドル で0.3%下げて1ユーロ=1.2202ドル。一時、1.2167ドルまで下げる場 面も見られた。

日本の2年物国債と米2年債の利回り格差は過去1カ月の最小に縮 小。ドル建て資産の投資妙味が薄まり、円は対ドルで騰勢を強めた。利 回りスプレッドは16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となっ ている。

中国の減速

カナダ・ドルはユーロに対して1ユーロ=1.2418カナダ・ドルと過 去最高値を付けた。米ドルに対しては上げに転じ、前日比0.1%高の1 米ドル=1.0185カナダ・ドル。一時は0.5%下落した。

ブルームバーグが集計した調査によれば、中国の国内総生産 (GDP)は4-6月(第2四半期)に前年同期比7.7%増と、第1四 半期の同8.1%増からの鈍化が予想されている。同国政府は13日に GDP発表を控えている。

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)は「非常に顕著な悪い兆候が先行指標に表れてお り、世界景気の減速傾向が強まっていることを示唆している」と指摘。 「円とドルはどちらも底堅く推移するだろう」と述べた。

日銀の買い入れ

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は過去3カ月間で 7%上昇し、同指数を構成する先進10カ国の通貨中で最も上昇率が高 い。ドルは同期間に4.7%上昇。一方でユーロは4.1%下落した。

円はこの日、日銀の発表を受けてドルとユーロに対する上げを縮小 する場面も見られた。

日銀は固定金利方式の共通担保オペを5兆円減額し、代わりに短期 国債買い入れを5兆円増額することを決定。資産買い入れが45兆円、固 定金利オペは25兆円となる。政策金利はゼロから0.1%程度で据え置い た。

シティグループのG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は、「市場の受け取 り方は、日銀は一方で与えながら他方では取り返しているというもの だ。従って差し引きすると効果は非常に限定的だ」と説明した。

原題:Yen Gains to Six-Week High Versus Euro on Global-Growth Outlook(抜粋)

--取材協力:Lindsey Rupp、Roxana Zega、Emma Charlton、Lucy Meakin.

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